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2019.07.02

コオニユリ

百合根はほんのり甘くほろりと柔らかでとても美味しい食材なのですが、実は私は未だに堂々と口に出来ない食材なのです。
そう、食べずに土の中に植えたら綺麗なユリの花が咲くから。

実は昨年の冬、久々我が家を訪ねて来られた友人から「百合根はお好きですか?」と問われ、即座に「大好きです!」と答えた私に大きな百合根が二つ入った包みを下さいました。
その後、いつもながらに躊躇いながらも特別なお客様の為に一つは茶碗蒸しの具材に使い、とっても美味しく頂いたのですが、残りの一つはやはり土の中に返した私なのでした。

さて、春になり日に日に大きく伸びる百合の茎を見てどんなユリが咲くかしら?と待ちわびた日々を過ごしてきました。
過去にも数回食材で買ったけれど食べられなかった百合根を植えて、育った花は全部鮮やかなオレンジに黒い斑点のある華やかなコオニユリでした。

やはり、今回も同じユリかしら?

6月の初めにはぐんぐん育った茎の先に12もの蕾が認められました。
開花を楽しみに待っていたら、8日の娘*紫音の誕生日の朝にあの花びらがくるんと反り返る車咲きのコオニユリが咲いたのでした。

コオニユリは、私の故郷に野の花の如く咲いていたオニユリと同じ花です。
ただ、オニユリはムカゴという黒い実を茎と葉の間に沢山付けますが、コオニユリにはそれが一つもありません。
子供の頃は、何処ででも見かけるこの鮮やかなオレンジに黒い斑点のあるオニユリが大嫌いでした。名前にも鬼が付いていますからね!
でも、何となくだんだんといつの間にか野趣を感じるこのユリに心惹かれるようになってきたのが不思議です。
私は俯いて咲く花が大好きですからね・・・

そして、不思議なのは今の我が家の庭の紫とピンクと白い花たちの間に一際鮮やかなその反対色のオレンジ色のコオニユリがとてもいい感じだったということです。

毎日、そのユリの咲くアクセントのある庭を眺められるのがとても楽しみなのでした。

12の蕾の花が次々に開いて、最後の花が散ったのは7月の1日の篠突く雨の朝でした。
食べたら一瞬で終わるけれど、土に反したら20日間も楽しませてくれるなんて、やはり全部食べてしまわなくて本当に良かったと思います。
因みに、ネット情報では食用百合根を植えたら、白いテッポウユリが開いた方々もいらっしゃるようです。

あら、ますます食べ辛くなりました。
白いテッポウユリは昔から私の大好きなユリですからね!

考えてみたらコオニユリを描いたことはまだ一度もありません。
来年咲いたら忘れないように描こうと思っています。
今日は、以前庭で咲かせた同じ大好きな車咲きのカノコユリとテッポウユリを水彩画で描いたものをお披露目です。

 

2019.7.2     小出 麻由美

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