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2013.06.16

薔薇のお風呂

 

この上なき贅沢なひととき!
今の季節でしか味わえない薔薇のお風呂です。

我が家で育成中のまだ小さな薔薇も、今年は思いのほか沢山の花が咲いて花びらがいっぱい!!!

薔薇のお風呂1

かなりの量のポプリも作り、色んな方々にプレゼントをして喜ばれもしましたが、もう花びらを乾かす場所も確保できなくなってしまった状態。
さりとて捨てる勇気もなく・・・
!!!そうだわ!お風呂に浮かべましょう!
散る間際の花びらを沢山籠に集めて、お風呂を沸かし始める時に薔薇の花びらも入れて蓋をします。
お湯が沸いて蓋を開けると、もう浴室が薔薇の香りがいっぱいです!
我が家の浴槽はグレイシュピンク。
その中で浮かぶ色とりどりの薔薇の花びらを見ているだけで何だかクレオパトラ気分!(その昔クレオパトラの褥は薔薇の花びらで埋め尽くされていたとか!?)

さて、その時にとても素敵な発見がありました。
薔薇はピンクやアプリコット色ばかりなのに、湯船のお湯の色は淡い美しいエメラルドグリーン!!!
でも思い出しました!
その、昔、薄紫のタチツボスミレを集めてスミレ茶を作った時のことを!
そう、ちょうどそのお茶の色がこの色と同じ色合いでした。
ニオイスミレの濃い紫で作った時はお茶の色も花と同じ紫だったのに、薄紫のスミレはエメラルドグリーン!?
なんだかとても不思議な素敵な発見でしたが、同じ結果とは・・・きっと科学的に調べると同じ色素があるのでしょうね・・・

とにかく夢のような素敵な気分の薔薇のお風呂。
そして、何よりも嬉しかったのが、知的障害を持つ長女・紫音がことのほかこの薔薇風呂を喜んだこと!
沢山の言葉を操れない彼女が、何度も何度も「わあ~キレイねえ!」を連発して、彩り豊かに湯船の中でゆらゆら揺れる花びらを見つめては、満面の笑みを浮かべます。
その笑顔をじっと見ているだけで、私は本当に幸福感に浸って神様に感謝でいっぱいになるのでした。
これまで、この娘を育ててくる中で苦しみ哀しみはいっぱいあったけれど、この笑顔だけで、それらの苦い過去は本当に一掃されてしまうのです。

そして、何故か中学生の国語の教科書に載っていた井伏鱒二の<山椒魚>の一節が紫音の表情と重なって微笑んでしまう私なのでした。
穴にふさがれて身動きできなくなった山椒魚が、舞い落ちてくる花びらが水に浮いてくるくる回っている様子をじっと見て「ああ、なんだか目がまわりそうだ・・・」とつぶやく長閑な光景。

   2013.6.7     小出 麻由美

 

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