色鮮やかに咲き揃うお花屋さんの店先で、そっと開いていた優しい色合いのプリムローズが一鉢。

まるで紫陽花の花のよう・・・

ヒヨドリの餌食になる場所には植えられないから、暫くリビングの窓辺で咲かせることに。

本当に最近のプリムローズの美しい色どりには驚くばかりです！
私が幼い頃には、一重咲きで黄色とピンクなどのほんの少しの種類しかありませんでしたから。
それでも、まだ緑も少ない地肌のみが黒く冷たく映る庭で、いち早く春を告げて咲くこの花には子供心でも賛辞を惜しみませんでした。
それと、「ああ～おままごとに一ぺんは使ってみたいもの！」だと。（笑）

空気の冷たいまだ戸外で遊ぶことが許されなかった縁側の窓辺で、そんなことを思いながら分厚い毛糸のカーディガンを着せられて佇んでいたことを鮮明に覚えている私です。
それらの花は無類の花好きだった祖母が植え込んでいたもの。
きっと、今考えてみれば祖母にしたら私におままごとの食材にされぬよう必死だったのでしょうね。
もしかしたら、祖母にはあの頃の私がヒヨドリ的存在だったのかも！？（苦笑）

そんなことを思い巡らしながら、遠い昔のプリムローズの並んで咲いていた春まだ浅い美しい庭を、いつも私に特別優しかった祖母を、懐かしく愛おしく思い浮かべたりしています。

祖母にこんな紫陽花色のプリムローズを見せたら、きっと大喜びしたでしょうね・・・

今は、もう遠い遠いむかし・・・

２０１５．３．４　　　　　小出　麻由美