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2018.05.12

薔薇 <新雪>

蔓薔薇で、私のアトリエの窓辺を覆い尽くすのが夢です。
蔓薔薇は地面に植えると、蔓が数メートルも伸びてまるで木のように大きく成長します。
でも、残念ながらアトリエの周りにはレンガを敷き詰めてあり地面がありません。
それで、大きな50㎝角の立方体の鉢を窓辺の両側に設えました。
そこで、今まで色んな蔓薔薇を試してみましたが、どれもこれも全く上手く行きません。
それでもまだ諦めきれず、薔薇専門の園芸店の方と念入りに相談して、丈夫で生育旺盛な白薔薇の<新雪>を植えてみることにしてみました。

初めて目にした新雪の花は、その名のように本当に降ったばかりの雪のように真っ白でした。
花びらは薄い紙で拵えたような繊細な剣弁咲で、しかも透明感もあり一目で私はこの薔薇の虜になってしまいました。

きっと数年後には、この薔薇がこのアトリエの窓辺を覆い尽くすのだわ…と夢見つつ。
しかし、生育旺盛な薔薇のはずなのに、数年過ぎても全くもって大きく育ちません。
それどころか、だんだん苗が弱ってきた始末。
やはり、鉢植えには限界があるのか…それとも陽射しが午後からは当たりにくい場所なので足りないのか…風通しもよくないのか…
とにかく弱った苗をそのままにしておくわけにもいかないので、先ずは小さな鉢に植え替えて(薔薇の苗を鉢植えで上手に咲かせるためには、数年かけて鉢を大きくしていく方が上手く育てられるらしいので)日の当たる場所へ移動させました。

とにかく、私はあの花の美しさが忘れられず、長尺苗の新雪を見つけた途端にまた購入してしまいました。

この新雪だけは絶対に失敗させられないわ!
ということで、今度はアトリエの窓辺は諦めて、リビング前横の地面のある山葡萄を絡ませていたパーゴラの傍に植えることにしました。
そして、潔く山葡萄とは決別です。

暑い夏の間、山葡萄の葉はパーゴラを覆い尽くし優しい日陰を作ってくれてはいたけれど、来客には苦手な虫がいつも訪れているし、実は小さくて酸っぱいし、葉は色付くこともなく茶色く枯れるので…ごめんなさいね…

ということで、私がのこぎりで伐ってしまいました。
ちょっと心は痛いけれど、切り株には除草剤をふりかけて・・・本当にごめんなさい!
そして、数年間本当に有難う!!!

ということで、日当たりも風通しも良好なこの地面は、新雪に最高の場所となり、今年で二年目を迎え、どんどん蔓を伸ばして、紙で拵えたような折り目の美しい沢山の真っ白な花をふわふわと雪のように付けてくれました!!!

黄昏時はその白さが一層際立ち、まるで幽玄な夢の世界にいるような気分を味わえました。
私の写真撮影が下手なので、この感動はお伝え出来ず本当に残念ですが、実際にご覧下さった方々は、「まるで薄い紙で作ったよう!」と大感動して下さいました。

そうそう、弱っていた鉢植え苗の新雪は日に日に元気になって、小さな枝にもとても大きな素晴らしく美しい花を三輪咲かせてくれました。

私の庭の薔薇作りは色んな失敗を繰り返しながら、永遠に完成しないキャンバスのようです。
さて、アトリエの窓辺にはもう蔓薔薇は果たして無理なのかしら~
今後どのように窓辺を飾るべきなのか私にとっては、大きな課題です。
薔薇で覆い尽くされた窓辺…それは、決して夢に終わらせたくないと思っているのですが・・・
どなたか、よきご案ございましたら教えて下さいませ!

2018.5.12     小出 麻由美

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