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2006.09.01

オニユリ

私の生まれ育った大分の小さな町には、オレンジのオニユリが野生の花としてあちこちで鮮やかに咲いていました。
子供の頃は嫌いな花だったので、感動することもなく、オレンジ色も好きではなかったので、あの色がせめてピンクだったらなあ、なんて思ったりもしていました。ユリの花に付いている濃い茶色の斑点と茎に付いているむかご<珠芽>も嫌いな要因だったと思います。それに名前が良くなかった。子供の大嫌いな鬼だなんて・・・
そのうえ、墓石が隠れてしまうほど花開いてオニユリの園と化している墓地もあったりしたものですから、イメージもよくなかったのでしょう。
何れにせよ子供の頃は、ユリの花自体に興味がなかったので嫌いな花で当然だったと思います。
それが今では、娘に名付けるほど大好きな花になっているのですから不思議です。人の好みは変わるものですね。
多分、ユリの花に魅せられるようになったのは二十歳前後。アルフォンス・ミュシャの描くユリの女性に出会ったことがきっかけだった気もします。


ユリの種類は多く、花形も色々ですが、基本の花形は、大きく四つに分けられています。鉄砲型、手鞠型、漏斗型、盃型。
私は、スカシユリなどの上向きに咲く盃型だけはあまり好きではないのですが、後は甲乙つけがたいほど皆大好きです。
オニユリは手鞠型。花被がくるりと反り返り球状になり、おしべめしべが飛び出してとても可憐な風情のある花です。


食用でユリ根として売られているものを植えたら、オニユリが咲くってご存じでしょうか?私も過去に何度か試みましたが、みんなオレンジ色のオニユリでした。
このユリは、古くから食用のために栽培され、葉の脇に付くむかごがこぼれてどんどん繁殖する強健なユリで、日本全国人里近くでは何処でも見られるそうです。そんな花ですから、きっと私の生まれ育った所は、オニユリにとって最適な場所だったのでしょうね。

私の好きな繪の一枚、アメリカの画家、ロバート・リード<1862-1929>が描いた<白いパラソル>は、咲き乱れたオニユリの花の中で、白い日傘をさし白いドレスを纏った美しい女性が、オニユリを片手いっぱいに抱えて微笑んでいるシーン。
きっと、アメリカでもこの花が咲き乱れているところがあるのでしょうね。
今ではそんな所に行って、この貴婦人みたいに白い日傘をさして思いっきりオニユリを片手いっぱいに採ってみたいもの!
故郷で見たあの墓地は、今でもオニユリの園のままなのでしょうか?
しかし、そこで白い服で貴婦人を装ったとしても・・・・・ 


2006.8.30        小出 麻由美 




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