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2006.10.06

粋なラリックのダリア

先日、久し振りにデパートの食器売り場を歩いていて目に留まったオパール色のラリックの花瓶。


その花瓶は全面に大輪のダリアの花が一つ彫られてあるもの。
実は以前から何度も目にしていたもので、バラのレリーフだったらいいのに・・・と素通り状態の眼差しをおくっていた花瓶でした。
しかし、このところすっかりダリアの花の虜になってしまった私。
慈しんでその花瓶を眺め、初めて気づいたことがありました。
その花瓶の形は平たくて前後にレリーフがほどこされているものなのですが、その前後の花の形が違うのです。
なんと一方にはちゃんとダリアの後ろ姿が彫られてあるのです。感動!
私はこういう粋なものにとても弱いのです。


まだ私の若かりし頃、祇園の高価なアンティークショップに入って、ティファニーのスプーンセットの一本一本に異なる種類の花がレリーフしてある、ちゃんと花の後ろ姿まで彫られてあるものを見た時もそれはそれは感動したものでした。
オーナーの方がとても感じのよい方で、何も買えない私だと分かっていても、奥の部屋まで連れて行って下さって色々なものを見せて下さり、そのものに対する思い入れなどをお話して下さいました。小さなよき想い出です。


私の大切にしているアメリカ製でアンティークのミルクグラスの器も、極めつけ粋な一品。直径23,5㎝の円錐形の器の側面に野バラのレリーフが全面にほどこされています。
そして、その器の台座の下、持ち上げて覗き込まなければ、決して誰も気づかないところ、そこにまでちゃんと可愛いい野バラが彫られてあるのです。


陶器のダリア1

陶器のダリア2


迷わず買ってしまったのは、多分そのせい。


私は、<もしかしたら人はそこまで気づかないかもしれない>そんな気遣いのある物、そして、そんな気遣いのある優しい粋な人が大好きです!
しかし、気になるなあ。
あの後ろ姿のラリックのダリアの花瓶・・・ 


2006.10,4.   小出 麻由美


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