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2006.10.11

ヴィオラ

パンジーの小さい品種。可愛いすみれ。
でも、今日はすみれのヴィオラの話ではなく、我が家の愛犬だったヴィオラの話をさせて下さいね。

ヴィオラ犬10月10日、生きていれば、今日でヴィオラは15歳。
ゴールデンレトリヴァーの雄。
雄なのにすみれちゃん?とお思いになられるでしょうが、なかなか決められなかった名前で、主人が娘二人の名前は付けられなかったので<紫音も野夕梨も私が付けました>せめて、犬の息子には付けさせて欲しいと言って何故か口走った名前がヴィオラ。
そこで、娘も私も大賛成!主人は「しまった!」と思ったようですが、時既に遅し。
私はヴァイオリンより少し大きくて音色の低いヴィオラを連想し、雄のイメージを持ったのですが、主人は、障害のある娘、紫音のお友達にと紫から連想したそうです。日本語ですみれちゃんになるとは後から気づいたこと。
でも、名は体を表すとはよく言ったもので、その名のように雄なのに気弱で<ビリ犬ヴィオラと呼んでいました>とても優しい性質のいい犬でした。


若い頃はとてもヤンチャで、私は箒やスリッパを持って追いかけ倒したものです。
きかん坊な息子を持っていたらこんな風な生活なのかしら?と思いつつ。
私の大切な薔薇や花の苗をどんなに駄目にされたことか。
植えたばかりの50球の白百合の球根を全部見事に荒らされた時には、飼ったことを本気で後悔したものです。
そんなヴィオラも年を取る度毎に大人しくなっていき、すっかり我が家の一員でした。
家族のバースデイパーティーでケーキにキャンドルを点して皆で歌う時、必ずヴィオラも一緒に歌っていました。ホントウデス!
娘達が小さかった頃、一緒に鬼ごっこをするのですが、ちゃんと鬼になって捕まえたり、捕まえられたりも出来ました。
風船遊びもしました。


部屋の中で飼っていたせいか、本当に色々な言葉を理解していました。
この犬種が盲導犬になれる性質だということが、容易に納得出来ました。
二人の娘が一緒に成長出来たことは本当によかったと思っています。
特に友達と遊べなかった長女にとっては、大きな慰めでした。
どんなに彼女が手荒にヴィオラを扱おうとも、決して怒らないのです。
ただし、「おかあさん、なんとかしてよお~。」という顔はしていましたけれど。
でも、ヴィオラがリビングに自由に出入り出来るようになったのは紫音のお陰です。
食事の時、ヴィオラを入れなければ絶対に箸を持たなかったのですから!
殆ど言葉を手繰れない彼女が一番口にしたのも、ヴィオラの名前でした。決して呼びやすい名前ではなかったのに。


不思議なことに、もう今年は我が家の庭に一株だけヴィオラが咲いています。

花ヴィオラ

夏の終わりに、こぼれ種がたったひとつだけ芽を出していたので、多分今頃から花は無理だろうと思いながらも小さな鉢に移したのですが、次々に紫の可愛い小さな花を咲かせてくれています。
今日はヴィオラの誕生日。


老犬でしたが、腎臓を患い辛い点滴にも耐えながら必死に生きてくれました。
昨年11月18日、主人の帰りを待って、主人の腕の中で静かに息を引き取りました。
「ありがとう。ヴィオラ、よく頑張ったな。もういいぞ。」


2006,10,10  小出 麻由美


*塩谷一彦さんがヴィオラを素敵に撮って下さ写真がブログ9月<花を美しく撮る人>に掲載されています。是非ご覧くださいませ。


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