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2007.05.18
わすれなぐさ
♪わすれなぐさは そらのいろ
はるの夕べの みずあさぎ
きよく静かに さきむれて
ひと夜の夢に そらを恋う
作詞‥葛葉国子
作曲‥大中寅二
あまり、お耳にされたことがない歌でしょうけれど、日本歌曲の大変美しい小品です。
大好きな歌曲で、私がよくひとりでピアノの弾き語りをする歌のひとつでもあります。
わすれなぐさ。なんて美しい花の名でしょう!
この花も幼い頃からよく耳にしていたのに、花そのものに出会うのは十代の半ばすぎになってからです。
植物事典のみずいろの小さな花に恋い焦がれていた、といっても決して過言でないほど憧れを抱いていた花でした。
外来種のせいか、私の子供時代には近辺では見かけることのない花でした。
それなのに、歌謡曲でもよく歌われる馴染みのある花だったのは、多分そのロマンティックな花の名のせいなのでは?と思うのです。
わすれなぐさ。勿論、花そのものもその名にふさわしい可憐な姿ですが。
その姿を一目見たいと願い続け、ついに小袋の花の種を見つけ、夢見るような気持ちで種播きをして、毎日毎日芽の出る日を待ちわびたことも、今では遠い想い出です。
大切な種をまず小さな植木鉢に床播きにして、日当たりの好いところへ置いて毎日水やりをし、雨の日は軒下に入れ込む、といった目の掛けよう。
そして、ある日、小さな淡緑色の芽を見た時の感動といったら!!!
・・・でもね、それ、草だったんです!
どんなに乙女心が傷ついたことか・・・
それでも、気持ちを持ち直し新しい種を購入して、初めて咲かせたわすれなぐさは、支那わすれなぐさという事典に載っていた花とは別もので、再びがっかりしたのを憶えています。<今では、支那わすれなぐさの方がちょっとだけ好きになってしまいましたが。>
そんな訳で、本物のわすれなぐさに出会うまでは随分と長い時間が掛かってしまいました。
でもどうしたことか、本物のわすれなぐさの花に初めて出会った記憶が全くないのです!
今も大好きな花なのですから、感動がなかったはずはないはずなのですが・・・
それは、自分でも本当に不思議に思います。
今は、小さな庭ですが、わすれなぐさのみずいろの花がきよく静かに咲きむれて、わたしの春を夢でいっぱいにしてくれています。
ひと夜だけでなく!
2007.4.7 小出麻由美
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