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2008.08.04
花の刺繍の想い出 Ⅰ
私は幼い頃から刺繍がとても好きでした。
多分、絵を描いていなかったら刺繍に勤しんでいたことと思います。
幼い頃見た西洋映画のワンシーンやヨーロッパの絵画の中で、貴婦人たちが暖炉の傍や花の咲き乱れる庭先で刺繍をしているのを見かけては、私もあんな風な貴婦人になりたいものと思ったものです・・・
さて、初めての刺繍の体験は小学校の家庭科の授業で。
待ちに待ったその時間が、嬉しくて嬉しくてたまらなかったのを憶えています。
確か、初めての作品は裁縫箱入れの袋もの。
題材は自由で、勿論私が選んだのは花。
まだ見たことのないマユミという自分と同じ名前の花があるのを知り、喜び一杯で植物図鑑の写真からデザインを起こしました。
それは可愛いい小さな木の花で、サーモンオレンジ系の濃淡の糸を選んで七苦八苦しながらも、かなりいい感じに仕上げたように記憶しています。
家庭科がある日はそのマユミの花の刺繍の裁縫袋をいつも持ち歩いて幸せな気分に包まれたものでした。
刺繍がそんなに好きだったにも拘わらず、何故かちゃんと仕上げた作品がその裁縫箱袋しか記憶がないのが不思議です。
きっと、遊ぶことの方に余念がなかったからでしょうね。
中学校に入ってからはテニスクラブでとても忙しいスポーツ少女でしたからね・・・
でも、結婚して娘たちが幼かったころは、彼女たちの無地のワンピースや白いブラウスに忙しい合間にもせっせと花の刺繍を施して、子供より自分が満足していたのを想い出します。
そのことを覚えているかどうか、この冬にアメリカから休暇で戻っていた娘に尋ねたら、ちゃんと記憶の小箱に収めていてくれたので胸を撫で下ろしたところです。
これらの他愛ない小さな出来事が、私の記憶の布の上にもいくつも刺繍されてとても優しい思いで、時々取り出しては眺めています。
2007,11,16 小出 麻由美
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