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2009.02.11

春の到来 <夢羽(むぅ)ちゃん>

今日、25年来の友人と再会しました。
彼女のニックネームは<むぅ>ちゃん。
何故そのニックネームなのだか忘れてしまいましたが、とにかくその名が彼女にぴったりで、ムーミン谷の住人の一員のような、ほんわかとした超個性的な愛すべき友人なのです。
出会いは、以前私が勤めていたデザインスタジオにて。
一年年下の彼女が一年下の後輩として入社して来て以来の大の仲良し。


今はアロマティラピストとして活躍していますが、本来は絵本作家を目指していた彼女です。
紆余曲折の人生の中でたどり着いたというその仕事も、とても彼女にぴったりですが、きっとこの仕事を通して色々な方々と出会い、今後の彼女の絵本の創作に役立つのだろうなと、私は思っています。
有り難いことに、絵や創作は年齢を重ねても続けられる仕事です。
本格的な画家は60歳からなどともいわれるほどですからね!


二人とも会っていない25年の歳月、色々な辛い事を体験させられましたが、またこうして出会って、少しの距離もなく過ごせる何て本当に嬉しく思いました。
彼女は独身を通し、お父様とふたつ年上のお兄様を天に送り、今は仕事と年老いて病のあるお母様の介護に費やす日々。
私は同居していた病の義母を送り、障害のある娘の介護をしながら絵を描く日々。
そんなわけでなかなか自由に会えなかったのですが、会えない時間もそれぞれの人生を分かち合う時に替えられ、幸せすら感じることができました。


嬉しいことにその空白の間も、いつも私のことを思っていてくれたそうです。
それで、今度会う時、私に手渡そうと大切にしていた全集物の中の一冊、吉屋信子の<花物語>をプレゼントしてくれました。
それは貴重な復刻版で全集物の中の大切な本で、彼女が初めてローンで購入した高価なもの。
でも、その題名を見て<これは絶対に麻由美さんにあげよう!>と最初から決めていたというのです。
装丁もレトロで溜息が出るほど洒落ています。


夢花1

昔から彼女は私の心惹かれるものを、いつもさりげなく贈り物にかえて届けてくれる、とてもセンスのよい思いやり深い人でしたけれど・・・


長女,紫音が生まれて退院してきた頃、病弱だったその子の看病を手伝うために、何度も宝塚の住まいから我が家へ足を運んで来てくれたものでした。
鼻水が詰まって息がしにくくなった紫音の鼻に、直接彼女が自分の唇を充て鼻水を吸い取って下さったこともあり、親である私が仰天してしまいましたっけ。
それに、むぅちゃんは大の動物好きで、保健所に連れ去られる前の犬を引き取っては大事に育てる愛情溢れる心の持ち主でもあります。
そんな彼女ですから、アロマティラピストとしてホスピスの患者さん達から慕われるのも当然のことでしょう。


昔から彼女は私のことを<花の妖精みたい!?>とおだててくれていて、それがとってもとっても嬉しい私でした。
今日携えて来てくれたピンクの花束も正に私好みの春の薫りで一杯です。
淡いピンクと薄紫のキャンディータフト、白いブルースター、褪めたピンクカーネンション、バラ、ばら、薔薇・・・


夢花2

それから、彼女自身がブレンドしてくれた花の香りで一杯のアロマローション。
ダマスクローズ、ローズウッド、ネロリ、乳香・・・


だんだん日差しが春めいて来る中、むぅちゃんと再会して、私の心がまたもう一歩春に近付いた気がします。
むぅちゃん、貴女にとっての私がずっと花の妖精<妖怪にならないように!>でいられますように・・・
少々太っても、うんと年老いても!
そしてむぅちゃんも、ずっと心優しく穏やかなムーミン谷の住人でいて下さいね!
むぅちゃん、私も出会った頃から変わらず、貴女が大好きですよ!


夢花3

2009.2.9   小出 麻由美


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