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2009.03.19
義母の一周忌・二つのダイヤのネックレスの想い出
3月19日。
今日で義母を天に送って一年を迎えます。
時の流れの移ろいは早いもの。
春の息吹を感じる、義母の大好きな水仙が咲き乱れる季節に彼女は天に帰っていきました。
今、義母が私に遺してくれた二つのダイヤのネックレスが光ります。
義母は、宝石には全く興味を示さない人で、どんなお出掛けでも殆ど宝石で身を飾ることをしませんでした。
嫁である私は正反対で、普段の日でも必ずどこかに宝石で身を飾るほど、アクセサリーが大好きです。
そんな私ですから、義母は旅からのお土産にはよく私に小さな宝石を持ち帰ってくれました。
だから私の宝石箱の引き出しには、義母を思い起こしてくれるブローチやピアス、ネックレスが今もそっと輝いてくれています。
そんな中でも、義母自身が自分の死を覚悟したと思われる二年前、足取りが重くなりながらも嬉しそうに一緒に出掛けた最後のショピング街でのこと。
私が立ち寄った手芸店から出ると、何とその店の前にあった宝石店の椅子に座りお茶を頂いているではありませんか!
宝石など全く興味が無いはずなのに、驚いて駆け寄ると、「私も一つはダイヤが欲しいと思ってたんよ。」と、もうすっかり買い求める気配。
微笑む店員さんを前に「えーっ、おかあさん、そんなもの買ってもちっともしないじゃないの!」と制止の姿勢で私がひとこと。
だけど、その時の義母は、少女のように嬉しそうに目を輝かせてショーケースに眺め入るばかりで、止める理由は他に何も見つけられませんでした。
そこで、嬉しいことに、私にも好きな物をひとつ選びなさいとのこと。
初めは遠慮していた私でしたが、店員さんたちの篤い後押しで、思い掛けず高価なネックレスをプレゼントしてもらう幸運に恵まれたのです。
それで、直ぐに私は自分のものを決めました。
<縦長で小さなダイヤが揺れるように10付いたもの>
でも、当の義母は決めきれず「麻由美ちゃんはどれがいいと思う?どうせ私が死んだらあんたにあげるんやさかい、あんたの好きなもん選びぃ。」と言うではありませんか!?
私は既にプレゼントして貰っていたので、驚いて「私は買って貰ったので、もう充分だからお義姉さんに差し上げて。」と言うと、「あの娘には、もう既に私が高価な真珠の首飾りを渡してるんで、あんたに渡せるもんを買うんや。」とのこと。
とてもびっくりしましたが、義母があまりにも堅い意志だったので、躊躇無くこちらも私の好きなデザインのものを選んでしまったということです。
<四角いダイヤが三つ縦に並んだ中世っぽいデザイン。勿論こちらの方が高価です。>
それから、義母は二度ばかりそのダイヤのネックレスを付けただけで天に帰ってしまいました。
今から思えば、初めから私へのプレゼントとして用意してくれたのだと思います。
一八年間の同居の中で、正直辛いことも多かったけれど、私のことを愛し慈しんでくれたと心から感じています。
キリスト教に大反対で、毎日仏壇に手を合わせていたのに、病に伏せてからは自らそのことは一切辞め、私にお祈りをして貰うことを大変喜び楽しみにしてくれました。
葬儀もキリスト教式でと遺言してくれました。
私に架せられた大きな仕事を無事に成し遂げることが出来、一周忌を迎えた今も喜びを感じています。
そう、天の御国で必ずお義母さんに再会できるから!
その時には、私はこの二つのダイヤのネックレスを<貴女たちの大好きなお婆様からの形見だ>と言ってそれぞれ二人の娘達に託して義母に会いに行こうと思っています。
その時まで、お義母さん、あなたから頂いたこの二つのダイヤのネックレスは私の胸で輝かせて頂きますね。
また、お会いするその時まで・・・
2009.3.19 小出 麻由美
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