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2010.02.06
椿の和菓子
少しだけ、日差しが春を感じさせてくれる季節になりました。
数年前、鉢で育てていた椿の小さな苗がそれなりに大きくなって、たくさんの花を咲かせてくれるようになりました。
そんな折、友人が<玉椿>と名付けられた、とっても愛らしいお菓子を届けてくれました。
綺麗な薄紅色の椿の花が描かれた包みを開いて、小さな和紙をそっと開けると、その名ような玉のお菓子があらわれます。
薄紅の柔らかな求肥の中に黄味を帯びた白餡が包まれています。
外観はただまあるいだけなのに、いかにも小さな椿を思わせてくれる、本当に可愛らしいお菓子で,<玉椿>という名前がぴったりです。
その玉椿は姫路の銘菓だそうです。
その銘菓は伊勢屋本店という菓子司から。
由来は天保の頃、姫路藩家老の推薦により江戸に赴き、当時最盛の菓匠の門下生となり、考案した一種が家老に殊の外お気に召された菓子となり<玉椿>と命名され、以後藩の御用菓子と用命されたとのこと。
以来、現在も皇室の方々からお買い上げ賜る名誉な和菓子だとか。
お菓子の箱の中に、薄紅の和紙に美しい筆文字で俳句も詠まれておりました。
~舌にして姫路をおもふ玉椿 方堂
姫路は日本一美しいといわれるお城、白鷺城のあるところ。
一度行ってみたいと思いつつもまだ実現していません。
京都から近いのに、いつも通り過ぎるだけ・・・
でもいつか是非この玉椿のお菓子を見つけて、城内をお姫様気分で巡りたいものです。
我が家の小さな椿は<夢あかり>。
こちらも可愛らしい薄紅色。
薄紅の椿を飾った玉椿に一服のお茶。
日本人に生まれた幸せを感じます。
2010.1.29 小出 麻由美