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2012.09.03
グリーンカーテン
この夏、節電のために話題を呼んでいる<グリーンカーテン>。
蔓性の植物で窓辺に日陰を作り、涼しさを演出するという方法。
実はこの方法は、クーラーなどの電化製品のない懐古からの夏の演出でした。
朝顔の花やヘチマやヒョウタンなどを窓辺に這わせ涼を誘う方法です。
近年、クーラーの需要ですっかり忘れられていた風情でしたが、今日の節電対策のひとつとして、只今人気を集めているようです。
殊に沖縄の産物で、緑の葉が豊かなゴーヤの苗を育てるのがブームらしく、春の終わりの園芸店の店先には至る所でゴーヤの苗が売られるようになっています。
私も是非ともゴーヤでグリーンカーテンを作り、その実を食卓に!と云いたいところですが、実はわたくしどうしてもあのゴーヤの苦みが好きになれないのです。
栄養価も高くダイエットに最適らしく、夏の食欲不振の食卓に欠かせないようなのですが、何度挑戦しても好きになれず諦めたところです。
(幸か不幸か猛暑でも食欲は全く落ちませんので、大丈夫です。笑)
ありがたいことに主人も嫌いで、所望されることもないので、我が家には並ばない食材なのです。
それで、グリーンカーテンにして実が成ったら大変なので、植えないことにしています(笑)
私がアトリエに使っている部屋は、南向きで夏はとても暑いのでグリーンカーテンが不可欠です。どうせなら、涼しいだけでなく植物そのものをも楽しみたいので、花も美しいものを選びました。
* * *
先ず、青い天上を思わせてくれるヘブンリーブルー。
朝顔の一種で夏の花の中で、より青く数多く秋まで夕暮れにも咲いてくれる優れものの涼花で、本当に天国を思わせてくれる大好きな花のひとつです。
そして、夕顔。
幼い頃、実家の夏の庭でいっぱい咲いていた、大好きな夕暮れに白くふんわりと香る大きな朝顔に似た花。源氏物語で有名な幸薄い女性の名前でもあり、娘時代、箏曲に彼女を歌った曲があり弾いたことがありましたが、正直あまり心に残る曲ではなかったです。
でも、いずれにせよ素敵な夏の夕暮れの花です。
私は何故か<夕>という響きと漢字が大好きなのです。次女にも<野夕梨>と名付けたほどですからね(笑)
それから、薄紫の優しい花、モミジ葉朝顔。
モミジのように手を広げたような繊細な小振りの葉が涼を誘ってくれるし、花も一般の朝顔よりは小さくて昼間も咲き続けるうえ、さらに儚げな優しい風情の花です。
それから、今年初めて目にしたグリーンカーテンのために売り出された白い花。
名前は忘れてしまいましたが、花はゴマの花に似たもので、真夏のカンカン照りに涼しげな白い花群れを沢山付けてくれる重宝ものでした。
そして、グリーンカーテンの定番の風船蔓。
ゴーヤと並んで、グリーンカーテンには欠かせない可愛い植物です。名前のとおり、小さな風船のように涼し気なライムグリーンの実を次から次へと驚くほど沢山付けてくれます。幼い頃、初めてこの紙風船のような実を目にした時には、本当に驚いたものでした。
種が黒くなる頃、その紙はライムグリーンが茶色く変色してしまいます。
こちらも初めて、秋に可愛い朱い実を付けるという雀ウリ。
まだ見たことのない実なのでとても楽しみです。きっとカラスウリを小さくしたような実だろうと思っています。
最後に、こちらも今年初めて目にした丘ワカメ。
実はこれアイビーを肉厚に大きくしたような葉で、栄養価も高く野菜の一種で食べられるそうなのですが、まだ口にするまでの勇気がないところです。見た目は涼しげとは言い難い葉ですが、陰をしっかり作ってくれるのは一目瞭然で、園芸店の方一押しでしたので、加えてみました。お味噌汁の身にもなってくれそうなのですが・・・
これらの植物が絡み合って、今私のアトリエの南の窓辺は、涼を演出してくれるだけでなく、とっても美しく窓辺を朝から夕暮れまで表情を変えながら私を喜ばせてくれるグリーンカーテンなのです。
2012.8.31 小出 麻由美