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2013.08.25

夏の白百合

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大好きな夏の花、高砂百合の白百合が庭のあちこちで楚々と咲く季節になりました。
今年は異例の猛暑ですが、そんな過酷さをもものともせず涼しげに花を付ける逞しく美しい花。
思い掛けない鉢の中から、そしてガーデンテーブルの小さな隙間からも顔を出して花ひらくものまでも!

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ずっと庭で咲かせていたい気もしますが、人目につかぬところで咲かせるものは何だか勿体ない気もするので、思い切って花瓶の花にしています。
今年も我が家でも沢山咲いて、大きなお気に入りのクリスタルの花瓶にもこんなに活ける事が出来ました。

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庭で咲いた白百合をこんな風に生けられるなんて幸せいっぱいです!
この暑い夏の庭で、一番の神様からのプレゼントに感じます。

さて、残念ながら育てやすいこの花の難点は、ひとつずつの花期がとても短いこと!
花全体の花期はとても長いのですけれどね・・・
それに花の終わりも、綺麗な花のままで筒状に茎からすっぽり抜けてしまうのが全くもって惜しい気がします。

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ちょっと納得いかない最後に感じるのは私だけかしら?

でも、だんだんこの花がこの辺りにもいっぱいで、ルピナスさんのような喜びを味わえそうです。
ルピナスさんとは、以前このブログでも何度かご紹介しましたが、絵本作家バーバラ・クーニー作の美しいお話で主人公の名前です。
生涯独身で町で大きな図書館で仕事に邁進し、世界中を旅した後、お爺さんとの約束であった<美しいことをすること>のためにアリスが、ルピナスの花を村中に咲かせるという美しいお話。
老年を海辺の村に移り住み、変人扱いされながら来る日も来る日も、村中の丘に彼女の一番好きな花ルピナスの種を播き続け、逝天までにその地を美しいルピナスの花でいっぱいにしたアリスが、ルピナスさんと呼ばれるようになるという何ともロマンティックなお話です。

わたしももしそんな風な最後を迎えるとしたら、どんなお花を選ぶかしら?と考えて答えを出したのが、この花高砂百合です。
私も微妙な美しい色合いで咲き群れるルピナスは大好きですが、高温多湿の日本の風土ではこの花の種を播いても、残念ながら風土が合わず群れ咲くお花畑にするのは不可能です。
その点、この白百合は繁殖しやすく美しく、夏から晩秋まで咲き続け長きに渡ることがとても魅力で、日本の風土にもぴったりです。

本来百合は球根で増えていきますが、この百合はカサカサの薄い小さな種が花の後にいっぱいいっぱい出来て、風に飛ばされて繁殖する不思議な百合なんですよ。
種が地に落ちると小さな黄色い球根に変化していき、二、三年で痩せた場所にでも花をつけ出す強健な百合。
原産地は台湾だそうですが、その昔、あんな遠い島からどうやって日本に辿り着いたのかしら?
こんな軽い種だから風に飛ばされて?それとも鳥?
そんな風に考えるとロマンティックだけど、やっぱりきっとどなたかが運んで来て下さったのでしょうね・・・

私が天に召される前は、何処にどんな風に暮らしているのかは分かりませんが、こんな風にルピナスさんみたいなことが出来たとしたら、とても満足でしょうね・・・
白百合にいっぱいいっぱい包まれて昇天する・・・
でもそれは、きっとまだまだ先のことと思っていますが・・・(笑)

     2013.8.25     小出 麻由美

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