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2006.07.06

アイスローズ

アイスローズウエッジウッドといえば、イギリスの銘窯。日本でもワイルドストロベリーはじめ、ファンの方も多いのでは?
私も少女の頃から憧れていた陶器で、可愛い野いちごの絵柄のついた大皿が欲しくて、某マヨネーズ会社の懸賞に応募したものです。残念ながら当たりませんでしたけれど・・・
大人になってその絵柄のティーカップを手にした時は、本当に嬉しかったものです。


ところで、皆さん同社のシリーズでアイスローズをご存じでしょうか?ミルク色のボーンチャイナに描かれた水色の薔薇。
どこか儚げでネーミングそのままの優しい色合い。なかなか店頭に並ぶことのない商品で、私も雑誌で見かけただけの気になるシリーズでした。
偶然、郊外の輸入雑貨のお店で目にし、イメージ通りの素敵なティーカップが一目で気に入り、すぐに買い求めました。


このカップ、見た目だけでなく、実に口当たりも良く使いやすく、お気に入りの一客となり、毎朝のミルクティーを美味しくいただいておりました。
が、ふとした不注意でカップの縁がひび割れてしまいました。すぐに新しい物を注文したのですが、既に廃盤になってしまい入手不可能ということでした。とてもがっかりしたのですが、聖書の中の<すべてのことに、感謝しなさい>という聖句を思い出し、気を取り直し、感謝に換えました。


 それから数年後のある日、私の所属していた教会の牧師がイギリス人で、彼の母国の知り合いの方とご一緒に我が家を訪ねて下さいました。
早速、イギリス風にお茶のおもてなしをして喜んでいただき会話も弾みました。そのお客さまは、当時で80才近い老紳士で、奥様を天に送り、子供さん達もそれぞれ家庭を持ち、お独りで暮らしていらっしゃるとのことでした。
日本は、私の牧師が在国中に、訪れたい国だったそうです。そして、彼のお宅には、アイスローズのフルセットが揃っていると教えて下さいました。私はその話を伺い、すぐに悲しそうな顔をして彼に欠けたアイスローズのカップをお見せしました。
なぜこんな素敵なシリーズが廃盤になったのか、知りたかったからです。その理由は、薔薇の水色を同じ色に染めるのがとても難しく、クレームが殺到したからだと言うことでした。
とても知りたいことだったので、そのことが解明しただけでもとても嬉しく思ったものです。


そして、それから1年後、本国へ一時帰国していらした牧師が、茶色い小箱をかかえ私を訪ねて下さいました。あの老紳士からことづかったとおっしゃって。
それは、紛れもないアイスローズ!
彼は、もう天国へ行く準備をしているので、喜んで下さる人々に色々な自分の持っている物をプレゼントしておられるのだそうです。
そんな中で、遠い異国の私のことを思い出して下さるなんて・・・
もうそれだけで感激なのに、私のために貴重なアイスローズのティーカップを、牧師の帰りをずっと待って託して下さったのです。
それに、彼がお話下さったように、届けられたアイスローズの水色は、私の持っていたグレーっぽい水色とはまるで異なり、ずっと青味を帯びていました。


 話は続きます。先日、久し振りに行きつけのアンティークショップを訪ねてみると、なんと、私を待っていたように、アイスローズのティーセットが並べられているではありませんか!しかも、超破格値で!
お店の方が、値段を付け間違えたのでは?と思ったのですが、アンティークと呼べるほどの年代物ではないことと、とても安く仕入れられたからということでした。
しかも、今、並べたところだというではありませんか!
私は、これはきっと神様からの贈り物と、嬉しく受け取りました。もしかしたら、このアイスローズは、あの老紳士が使っていらしたものかもしれない、同じ水色だし・・・
そんなことをふと思い、あのお優しい老紳士のことを案じながら、今度はお客様と一緒に、アイスローズのティーカップでミルクティーをいただいています。


 牧師も5年前にイギリスへ帰国してしまい、残されたアイスローズのティーカップに想い出がいっぱいです。


  すべてのことに、感謝しなさい。  聖書  第1テサロニケ  5章18節     


    2006.7.7.   小出 麻由美



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