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2006.07.04

クチナシの白い花

甘くたおやかな匂いが辺りにたちこめる、クチナシの白い花の美しい季節です。


その名の由来は、秋に黄燈に熟す実の口が開かないことからですが、何となく美しい響きを持つこの名もとても気に入っています。


種類は断然八重で大輪のものが好きです。


ただ、虫もとても好む花なので美しく咲かせるのは大変です。


街路樹の下にもよく植えられているのですが、どんなに美しく咲いていても必ずといっていいほど


白いヴィロードのような花びらの中には、黒い小さな虫がうごめいています。


我が家の庭では、大輪の花を咲かせる低木は植えられないので、小さな鉢植えを買って庭に置いておいたところ、


一晩でアゲハチョウの幼虫に、葉を全部食べられてしまった苦い思い出があります。


何度か鉢を買ったけれど、虫との戦いに敗れてしまい、今はよそのお宅に咲く花をうらやましく眺めるだけ。


あの甘い匂いを想像しながら・・・


この花はなかなかお花屋さんに売っていないのです。


だから、時折、街路樹の花を手折っている人を見かけても、優しく見逃して差し上げて下さいませね。


 


クチナシの花で思い出すのは、阿南慈子さん。


多発性硬化症という病と闘いながらも、明るく優しく逞しく、キリスト者として人々に愛を伝えて天に帰ったひと。


生前、神様が不思議なお取り計らいを下さり彼女と出会うことができました。


話すことも、見ることも、体さえ全く動かすことの出来ない状態で、それでも、確かに彼女は神の愛が満ちあふれていた不思議なひとでした。


彼女のご主人の孝也さんはじめ、素晴らしいご家族と強力な友人の方々に囲まれて、本当に、クチナシの白い花のように、清楚で甘く優しくたおやかに辺りに香りを漂わせるひとでした。


私は自分の心が愚痴で一杯になってきたら、いつも慈子さんのことを思い出して深く反省します。


今はもう、この世にいらっしゃらないけれど、口述筆記で綴った素晴らしい本の中で、今でも彼女と出会うことができます。是非、皆様にもご一読をお薦め致します。


    <  ありがとう、あなたへ   阿南慈子著  思文閣出版  >


感謝なことに、この本の装丁を私の水彩画で飾って頂きました。


それは、勿論、慈子さんの愛した白いクチナシの花!

読み返す度に光栄に思い、神様に感謝しています。  



どうぞ、皆様も是非、慈子さんに出会って下さい!


 


    花のように


 


  マーガレットはわたし


  結婚式を飾ってくれた


  あのなつかしい花


 


  そしてもうひとつ


  クチナシもわたし


  ひたすら白く香るすがた


  そのことばは 


  幸せすぎる


             阿南 慈子          2006.7.4.   小出 麻由美


 


 


 


 


 

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