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2009.05.04
シャガの想い出
幼い頃の想い出の花はいくつかありますが、中でもシャガの花は特別です。
それというのも、子供心にこんな美しい花は他にない!と思っていた花なので。
今から思えばなかなか渋好みの子供だったのですね・・・
アヤメ科のその小さな花は、野趣のある白い清楚な優しい花で一見アヤメの華やかさはないのですが、その葉と花の形を見れば頷けます。
何故、幼い私が地味なその花にそんなに惹かれたのか・・・
そのシャガの小さな花の内側には、他の花では見ることのないブルーとオレンジ色の模様が上品に配置されてあり、それが幼い私の目にはとても斬新に映っていたようです。
また、花の中心にレースのような繊細な襞があって、花そのものの中にひとつの特別な世界が確立されている。
難しいことは何も分からなかったけれど、多分そのような感覚に陥っていた気がします。
ままごとの度に倦むことなくその花に吸い込まれるように見入り、不思議な世界に誘われる・・・そんな魅惑がその花にはあったのです!
祖父母もこの花が好きだったからなのか、それとも育てやすく自然と増えたのか、シャガは、私が生まれ育った実家の庭の木陰の石灯籠の狭間にあふれるように咲いていました。
そんなわけで、私はままごと遊びの材料にふんだんにこのお気に入りの花を使って遊ぶことが出来る幸いの日々を過ごせたのです。
だから、今でもこの花を目にすると、何とも説明のつかない私の美の世界が私の幼い日の記憶と共に呼び覚まされ展開していくのです。
あの頃、お姫様にでも何にでもなれた私は、日々花々の中で限りなく豊かな時間を紡いだものです。
が、しかし、蛇なるものの出現で一瞬にして夢は壊され、恐怖に晒される体験もしておりましたけれどね・・・
2009.5.4 小出 麻由美
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