セントポーリア、別名アフリカスミレ。
その名が示す通りスミレの花のような可憐な花を付けるアフリカ産の植物です。

この花の出現は、私がまだ１０代の終わりの頃。
直射日光の要らない、蛍光灯のみで花を咲かせ続ける当時画期的な花の出現に驚いたものです。

一人暮らしの陽も満足に当たらないアパートでは、鉢植えの花を育てることが難しいので、その頃の私にとっては本当に神様からのプレゼントに感じた植物でした。
結婚してからも暫くは小さな団地暮らしだったので、いつも欠かすことなくこの鉢植えを育てていましたっけ。
一時は随分沢山の種類を集めていましたが、そのうち育児に忙しくなり、広いベランダのある家に移ったりしているうちに、いつの間にかセントポーリアへの興味が薄らいでいた私でした。
それに、手が掛からないとはいえ、殖えても来るし、年中美しい花を付けさせ続けるにはやはりそれなりの世話が必要でしたからね。

もう、私にとっては過去の花になってしまっていたセントポーリアでしたから、最近は、お花屋さんで並んでいても興味を持って見ることさえもなくなっていたのでした。

が、先日ロザリアンの親しい友人宅へお茶に伺った時のことです。
彼女のリビングに、スミレのように俯いてしな垂れて咲いている可憐な、私好みのセントポーリアが飾られているではありませんか！
「素敵！こんなにしな垂れて咲くまるで本物のスミレのようなセントポーリアがあるなんて！何処で見つけたの？」との私の質問に、いつも行っているすぐ傍のスーパーマーケットの中のお花屋さんと聞き二度びっくり！！！
「なんでこんな愛らしいセントポーリアに気づかなかったのかしら？不覚だわ～」
と、いうことですぐにそのお花屋さんに出向きオーナーにお尋ねしたら、チェーン店なので他店に残っていたら取り寄せますとのこと。

その後すぐに紫とピンクの二種類の鉢があることをご連絡下さり、無事に我が家にもしな垂れて咲くセントポーリアを飾れることになりました。

このしな垂れるセントポーリアはトレイル種という種類だそうです。
私が今まで知らなかった種類です。

私は俯いて咲く花には目がないのです！
薔薇でも百合でも俯いて咲く咲き方でなければ、何故だか私の中で最上ではないのです。

そんなわけで、久々に大好きなセントポーリアに出会えて幸せを感じています。

２０１６．１２．１0　　　　　小出　麻由美