大好きなターシャ・テューダーが突然天に召され、一年が経ちました。

真の花好きだったら、誰もが恋い焦がれる彼女の庭。
私も、どんな有名なガーデンよりも行ってみたかったのが、彼女のガーデン！
そして、その庭もさることながら、その庭を創り出した彼女自身に是非一度お目に掛かってみたいと思っていたものでした。
もう、９２歳だったので、いつ天に召されても不思議はなかったのですが、まだまだお元気なご様子に、１００歳まではきっと大丈夫だと信じて疑っていなかったのですが・・・
だから、とても残念な気持ちで一杯です。
多分、私と同じ気持ちの方々が、きっと大勢いらっしゃることでしょう・・・

彼女は５２歳で３０万坪の広大な土地を購入して、開墾を始め現在の花の庭を
絵を描くように創り上げました。
その彼女の庭の中に、大工を職業とした愛するご子息が、彼女のために母好みの１９世紀スタイルの古い木の家を慈しんで建ててくれました。
そこで、彼女が愛して止まなかったコーギー犬と一緒に、それはそれはお幸せな晩年を過ごされました。

絵本を描きながら、自給自足の生活をし、季節毎に好みの花の咲き乱れる美しい庭の中で豊かに静かにお住まいでした。
その自給自足具合と言ったら、半端ではありません！
野菜作りや鶏を飼って卵を得るのは当然のこと。
庭の果実で１年分のジャムやジュースをこしらえたり、山羊を飼って乳を搾ったり、家の灯りも蝋燭が主で、それも全て手作りなのです！
特に驚くべきことは、羊を飼ってその毛を刈り紡ぎ染め、手編みでセーターなどをやすやすと編み上げてしまっていたこと！！！

全く休むことを知らずにそんなことが出来たのも、驚くべき健康の持ち主だったから！
おばあさんになっても常に裸足で庭仕事に励み、頭痛など全く知らないとおっしゃるほどなのですから！
離婚という哀しみを経験しても、ただひたすらに前向きに温かく子供達を見守って心豊かに育て上げた素晴らしい母であった女性。
その夢に向かってまっすぐに突き進んだ彼女の将来を、神様は見事に祝福で彩って下さったのです！

＜あなたは人の成功をうらやんではならない。何故なら、あなたはその人の哀しみを知らないから。＞
と言う言葉を、毎日聖書を学ぶ手ほどきの本の中で見出し、それがとても心に深く刻まれました。
ふと、夢のような生活をしている方々や才能に恵まれた方を目にすると、とてもうらやましく思えたりしてしまうのですが、その言葉の真実をしみじみと感じる私です。
人生、人と比較して生きることほどつまらないことはないと思います。
確かにこの世の中はあまりにも不公平です。
生まれてくる時代にしても場所にしても、自分で選ぶことなど何一つ出来ないのですから！
でも、神様がおひとりおひとりに特別な思いを込めて配置されるのです。
この地上では疑問だらけのことばかりですが、やがて天にてその回答が得られるのだと思っています。

神が彼女に与えられた人生を、彼女は不服を漏らすことなく、あの広大な荒れた土地を開墾して見事な花園に変えていきました。
そう、その彼女の素敵な人生は、この見事な庭の花々のひとつひとつに今も息づいています。
こんな美しい庭を描いて下さって有難う！！！ターシャさん！

私も私の人生を、私にしか創り上げられないようなかたちで、貴女のように美しく描き上げられたら・・・といつも願って過ごしています。

　　　　　　　　　　　＜私の小さな庭です＞

２００９．６．１６　　　小出　麻由美

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