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2008.07.11
ルピナスさん
ルピナスさん
ルピナスさん。
私の大好きなアメリカの絵本作家バーバラ・クーニー女史の絵本の題名です。
この絵本との出会いは、小学校のPTA役員をした時に知り合った花好きのご近所の方から。
通りすがりで、庭の花の手入れをしている彼女に話しかけたら、話が弾んで絵本に話題が飛び火して、教えて頂いた貴重な一冊。
その絵本の主人公ミス・アリス・ランフィアスことルピナスさんが、幼いころ彼女のおじいさんとお話している時に、約束した三つのことがありました。
大きくなったら遠い国へ行くことと、おばあさんになったら海の傍に住むこと、そして世の中を美しくするために何かすること。
ルピナスさんは年老いて、先の二つの約束は果たしたものの、世の中を美しくすることがまだ何かわからないままで、病気になり動けなくなってしまいます。
でもそんな時、窓辺に蒔いていたルピナスが開花して、その美しさに感動して慰められ元気を貰います。
ルピナスは、彼女が一番好きな花で、海辺の村をルピナスの花で一杯にすることを思いつき、実行するという美しいお話。
来る日も来る日も村をうろつき種蒔きして、人々から頭のおかしいおばあさんと言われながらも、意志を貫いて美しい村作りに成功するという素敵なお話。
この小さな絵本の中に人生の神髄がいっぱい込められていて、本当に感心してしまいます。
私がルピナスの花を初めて目にしたのは、幼い頃の実家の隣の伯母の庭で。
外来種で当時はまだ珍しい花。
伯母は種を蒔いてから毎日々々その花の開花を楽しみにしていたのが思い出されます。
その苗が大きくなるたびに声掛けをしてくれて、花の生長を私もとても楽しみに待ったものです。
日本名はノボリフジ。
フジの花を逆さまにして、登っていくようにした花。
上手く名付けたものだと思います。
ノボリフジの花は、とても小さかったけれど、初めて目にしたその花の微妙な色合いに、驚きすら感じたことをはっきりと憶えています。
その後、わたしも自分の小さな花壇で何度か咲かせた記憶があります。
いつの間にか、それほど惹かれる花ではなくなり、あまり目にすることもなかった花ですが、ターシャ・テューダーさんのガーデンの庭の写真を見て驚嘆してしまいました!
そこには、わたしが今まで見たことのあるルピナスとはかなり違った、子供の背丈を超えるほどの細長く大きな美しい花房が数限りないほどに群れ咲いているではありませんか!
なんと!それはルピナスさんの絵本そのままの美しい夢の花園が広がっていたのです。
もしかして、わたしが見ていたルピナスとは種類が異なったものなのでしょうか?それとも、風土の違い?
・・・残念ながら、日本ではこのようなルピナス畠をまだ見たことがありません。
今もって、このルピナス畠を日本で目にすることが出来ないのは、デルフィニウムやジギタリスのように、高温多湿の気候では難しい花なのでしょう。
もし、わたしがこの日本でルピナスさんと同じことをするとしたら、蒔く花の種はタカサゴユリかコスモス、それともマツムシソウになるのでしょうか?
いずれにせよ、年老いてから、海の傍のそれらの花に埋もれた村に住んで過ごせるなんて素敵でしょうね!
2007.9.7 小出 麻由美
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