ブログ
Blog
2009.06.29
一輪の鉄砲百合
数年前、ご近所にとても素敵なご年配の夫妻が引っ越して来られました。
仲睦まじくお二人で我が家へもご挨拶にいらして下さり、その優しい笑顔に接しただけでも幸せな気分を分けて頂きました。
都会に住んでいると、同じ通りに越して来られても、ご挨拶さえ無い方もいらっしゃるのに、我が家の通りとは一筋異なるのです。
ご夫妻の住まわれる家は、よく散歩をされる方々が好んで歩く石畳で敷き詰められたとても素敵な雰囲気の通りに面しています。
ご夫妻は、プライベートなお庭をその通りに面してロックガーデンとして解放し、道行く人々の為に、四季折々美しく趣味のよい花で一杯にして下さるのです。
私も、そのガーデンを眺めるために、折に触れ回り道をすることしばしばです。
我が家の<秘密の花園>とは正反対で、自分のためよりも道行く人々のためのガーデン作りをなさっているなんて、それだけでも驚き尊敬してしまいます。
いつも嬉しそうに花の手入れをなさる奥様に、お声掛けをすると優しい返事が返ってきて、それも二重の喜びを味わえる、幸せな一時を感じられる通りなのです。
ところが、最近、家の窓のシャッターが閉まったままで、ガーデンも荒れ果て、数日が過ぎてもそのままの気配。
長期のご旅行かしら?と案じていたのですが、13日の夜、通りがかりに奥様が佇んでいらしたので、ご挨拶したら、ひどく体調を崩しておられたのだということでびっくりしてしまいました。
ご主人も、自治会の重鎮なお役を引き受けて下さっているので、大変忙しく、それで、水やりもままならなかったとのこと。
そんなこととはつゆ知らず、「何か私で出来ることがあればご遠慮無くおっしゃって下さいね。」とちょっとお節介かしら?と思いつつも、ゼラニウムの枯れた花柄を摘み取って帰ったのです。
が、その夜のこと。
10時過ぎにチャイムが鳴り、<今頃どなたかしら?>と門扉をあけると、そのご夫妻が、ガーデンに咲いていた一輪の鉄砲百合を届けにきて下さったのです!
「まだ、体力に自信がなく主人の帰りを待っていたので、こんなに遅くになってしまいました。ご免なさいね。でも、本当にとってもとっても嬉しかったので!」と。
何と、その鉄砲百合には13の花の蕾があるではありませんか!
そして、その日は偶然にも13日。
そんな沢山の蕾を付けた鉄砲百合は初めてです!
しかも、大切なガーデンに僅か数本しかなかった花のひとつ。
私は次の日が自分の誕生日なので、まるでその為に天使が天上に咲いた極上の白百合を届けに来て下さったような気分にさせて頂いたのでした。
すぐに、私の描いた白百合のカードに鉄砲百合の絵葉書を添えてお礼状を書いて届けたのですが、なんとご主人と全く同じ誕生日だったと言うことがわかり、とても驚き大喜びしてしまいました。
今までの長い人生、同じ誕生日の人に出会ったのは初めてなのです!
何故、お誕生日が一緒というだけでそんなに嬉しいのか、自分でもよく分からないのですが、365分の1の確立だし、何故だかやっぱりとっても嬉しいのです。不思議ですよね。
自分の誕生日にこんなかたちで、大好きな白百合の花を飾れるなんて、最高の喜びを感じます。
頂いた時は、1つしか開いてなかった蕾も今日ですべてが咲いて、そして、私の部屋を甘いたおやかな香りで充たし続けてくれています。
大好きな花のひとつである鉄砲百合が、特別に素敵な想い出となる花になりました。
2009.6.20 小出 麻由美
私のカードにも白百合がありますので、ご紹介します
カード:サクユリとトルコギキョウ>
カード:白い二重奏>
ブログランキングに参加しています。よろしければ下記のバナーをクリックして、サイトに投票してください。1日1回、クリックしていただければランキングに反映されます。
ご協力ありがとうございました