ブログ
Blog
2007.05.12
八重の山吹
幼い頃の想い出の花として、一番最初に浮かぶのは八重咲きの山吹の花です。
我が家の、和風庭園の石垣の上から降りしきるように咲いていたその八重の山吹の花の下で、小さな私はどれだけの時間を過ごしたことでしょう。
花が満開になると、何時もその傍に行きたくて、肌寒い風の吹く日でも母が止めるのも聞かずによく佇んだものです。
毛糸のカーディガンを無理矢理羽織らさせられて、ボタンのかけていないボタンホールの中に山吹の小さなまあるい花をひとつ挿し入れては、どうして、この花がこのままボタンになってくれないのか、と悔しい思いすら感じていたのを、何故だか鮮明に憶えている私です。
花が散る頃も素敵で、飽きもせずその枝垂れた花枝から降る黄色い雨の下で過ごしたものです。
小さな少女の私には、本当に降りしきるように感じたものでした。
山吹の花の匂いは、淡い仄かな甘い香り。
それから、子供にとってとても魅力だったのはその茎。
細い長い茎の薄い皮をめくれば、あら不思議!
中から出てくるのは想像もしないスポンジみたいな白いもの。
それを、たくさん作ってはおままごとに使うことも大きな喜びでした。
でも、あんまりやりすぎると、祖母の小言が聞こえてきましたけれど。
山吹の花の色よりももっと淡いけれど、黄モッコウバラがこの花に似ていますね。
私の春の庭が黄色いのは、もしかしたら、この八重の山吹が原点なのかもしれません。
ミモザにクロッカス、ラッパ水仙、リナリアなど・・・
本当は、降りしきるように咲く八重の山吹を植えたいけれど、残念ながら、スペースがありません。いつか・・・の楽しみにとっておくことにしています。
黄色い色って、私自身は洋服にもインテリアにも使うことはないのですが、温かい春を感じる好きな色です。
山吹色って、その色名も素敵ですよね。
ディープイエローでもなく、ライトオレンジでもない、やまぶきいろ。
2007.3.18 小出 麻由美
ブログランキングに参加しています。よろしければ下記のバナーをクリックして、サイトに投票してください。1日1回、クリックしていただければランキングに反映されます。
ご協力ありがとうございました。