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2006.09.13

支那わすれな草の咲き乱れる庭で

わすれな草をご存じの方は多いでしょうけれど、支那わすれな草をご存じでしょうか?
私が少女の頃、花の名前だけは知っているのに、わすれな草の本物の花に出会ったことがなく、そのロマンティックな名前に憧れてあこがれて、やっと手にして播いた種が大きく育って咲いた花が、実は支那わすれな草でした。
植物図鑑で目にしたわすれな草とは何だか違う大きな花。
はじめは少しがっかりだったのですが、どうしてどうして、知れば知るほど魅力的な花!



忘れな草もしかしたら、今では、こちらの花の方が好きかもしれません。
わすれな草の水色の花よりも、支那わすれな草の花の方が海のように深い青で、花粒も一回り大きく茎もしっかりした背高のっぽ。蕾は紫を帯びたピンクで、だんだんと深い青に変わっていきます。花芯にも黄色がなく青一色です。種もわすれな草は黒い小さな粒。支那わすれな草の種は、少し大きめで衣服にくっつくタイプ。

それに丈夫で春と秋の二季咲きです。庭に植えっぱなしにしていたら、あれよあれよという間に種がこぼれて夢のような花畑になっていきます。


庭のある家に住んだら絶対播こう!と意気込んだのですが・・・
何故か何度種を播いても、苗を植えても、上手くいかないのです。
もしかしたら、花の名前は同じでも異なる種類なのではないかと思うほどに。
あと他に考えられるとしたら、大分と京都の気候の違いでしょうか?


大分の実家の庭では、何にも世話をしなくても、それはそれは美しく長く咲いて私をずっと幸せな気分にしてくれていました。
なぜか、支那わすれな草は春よりも秋の花としての想い出の方が強いのです。
きっと、秋の高く青く澄んだ空からこぼれてきたような色だったからでしょうか?
けれども、鮮やかな大きい花が好きな私の両親にしてみれば、草のような花が庭中にいっぱいになってとても迷惑だったようです。
私がお嫁に行った途端に、全く姿を消してしまったのですから!
嗚呼、もう一度支那わすれな草の咲き乱れる庭で、秋の空を眺めて見たいもの・・・


               2006,9,13  小出 麻由美

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