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2009.10.12
映画 <ラヴェンダーの咲く庭で>
この題名に惹かれて観た素晴らしい映画、<ラヴェンダーの咲く庭で>
舞台は、イギリスの海辺のラヴェンダーの咲く美しい小さな庭の或る風景の中。
その美しい庭で暮らす独身の初老姉妹のもとに、舟が遭難して美しいヴァイオリニストの青年が漂着して始まる、メルヘンティックな物語。
もう、人生の終焉舞台に入った姉妹が、思い掛けず王子様に巡り会ったようなときめきを覚え、少女に戻って夢見る一時を描いたおはなし。
この童話のような出来事の中に、人生の深さが込められてあり、老いへの哀しみや、人間の喜びと嫉妬心そして理性の大切さ等々、人生とは如何なるものなのかという問いかけがなされ、本当に感慨深い作品に仕上がっていました。
ことに初老という年代が近付いて来ている私にとって、機を見るに敏!と言う言葉がぴったりと当てはまるほどに、よき時期に巡り会った映画だと思わされました。
そのヴァイオリニストの青年の奏でるストラディヴァリウスの素晴らしさにも圧倒されます。音楽は映像音楽の傑作を生み出すナイジェル・ヘス。(まるでフォーレを思わせるようなクラッシックの作曲家のような美しい音楽を織りなしています。因みにアイススケーターの浅田真央選手も彼の曲で滑っておられました。)その楽譜を見事に再現したのがジョシュア・ヴェルと言うアメリカで注目を浴びている叙情豊かなヴァイオリンを奏でる若手演奏家です。
私が子供の頃に大人を見た時、全く自分たちとは異なる完成された人達だと思っていたのですが、自分が大人になって感じたことは、それほど子供の頃とは大差はないのだということ。
ことに、初老と呼ばれる年代になっても、少女の頃と何ら変わらない感情が沢山残っているということ。
だから、まだまだ感動もいっぱいしたいし、恋心も忘れていない・・・
でも、内なる心は変わらなくても外なる人が老いてゆく・・・立法的にも肉体的にも制約された中で生きているこの世界で、感情の赴くままに生きれば罪も生じる・・・
そんな中で自分を制していく理性をどのように駆使していくのかが、人それぞれの志の高さで、各々の人格を形作っていくもの。
私はこの映画を観て改めて、理性というものの気高さを強く思いました。
またその理性を機能させるためにも、神と交信(祈り)することの大切さを深く感じさせられました。
制約あってこその自由で、そこから得られる幸福。
現在は、この幸福観というものをはき違えて捉えられている気がしてなりません。
制約のない自由こそが幸福なのだという風に。
この映画を観終えて、年を重ねる度毎に神と共に歩むことの大切さをしみじみと感じた私です。
2009.10.9 小出 麻由美
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