ブログ

Blog

2014.10.15

月の輝きのような薔薇のブーケ

最近あまり体調が思わしくなく、自分の中で情熱が薄れゆくのを感じている今日この頃です。
が、有難いことには何故か食欲は一切衰えることはなく(苦笑)、人目にはとても元気そうに映る私ですが!?

膝を痛め大好きなクラッシックバレエが出来なくなり、声も高音がさっぱり出なくなってコーラスも断念。
夢だったバレリーナやオペラ歌手はきっぱりと諦めて(笑)、ベルト・モリゾ(マネの弟子で女流画家)だけを目指すつもりでしたが、情熱が沸き出て来なくて、ローレライ(ハーピスト)に憧れたりターシャ(園芸家)に憧れたりの寄り道ばかりの私です。
最もこの年代でそんな思いがあれば、人は充分だとお思いになるでしょうけれどね・・・

最近<情熱>と言う言葉をよく反芻しています。
10代の頃、ヘッセやゲーテの詩の中にその素敵に響く単語を見出して憧れては、自作の詩にその言葉を使ってみたものの、実はよく分かっていませんでした。

まだ子供たちが小さくお姑さんのお世話に追われ時間がない時は、描きたいものが次々と溢れ時間のないことにもどかしさを感じて、情熱は溢れ零れるばかりだったのに・・・
今は時間があってもぼんやり過ごすことのなんと多いこと・・・
視力はよく指も動き絵を描くことには何の支障もないのに、でも情熱がなければ絵は描けない・・・
ルノワールなんて身体がリュウマチに蝕まれても、腕に板を結びつけて筆を握って描いていたほどで、あの情熱は一体何処から生まれてくるのか!?本当に感服です。

ところで、一般的にはやはり年を重ねれば情熱は薄れるようで、体調が不調だと尚更です。
私も、今まで罹ったことのなかったような病を体験したりしてしまったりしていますが、有難いことに命を脅かされるようなものでなく、それをとても感謝に思う今日この頃です。これまで元気に生きられたのも本当に神様の恵みゆえだと思います。
健康でいられ続けられることは、ただそれだけで、本当に奇跡なことだと実感します!

そんな中、親しい友人からとても素敵な薔薇のブーケを頂きました。
黄色い薔薇と杏色の薔薇が束ねられた限りなく優しいブーケ。

1

リビングのソファで横になっていても、たおやかに香るこの世で私が一番好きなフルーティーな甘酸っぱい薔薇の香り。
まるで月の光のような淡く美しい色合いに彼女の優しさが重なります。
「やっぱり、花が一番麻由美さんの励ましになるでしょうから。」と言葉控えめにいつも思いやりを届けてくれる友人。

2

仕事を持つ同年代の彼女は、大きな苦しみから立ち直って、今ではますます前向きで美しく輝く素敵な女性です。

時折気まぐれな一人暮らしに憧れる私ですが、こんな不調の時は本当に家族の支えはなくてはならぬもの。
人は一人で生きられないものとつくづく感じて反省や感謝でいっぱいになります。
ずっと平凡に生きられることの非凡さ、こちらも本当に奇跡だと思います。

だんだん太陽のような情熱は薄れても、この薔薇のブーケのような、月の光のような優しさに包まれ包んで生きられたら・・・と、そんな絵を描いてみるのもよいかしらとふと思ってみたりしています。

3

2014.10.6     小出 麻由美

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。