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2007.03.28
沈丁花
香りのある花が大好きだった祖父が、中でも一番好きな花が沈丁花でした。
だから、私が幼い頃の早春の庭は沈丁花の甘い香りでいっぱいでした。
沈丁花の花の木は大きく育てるのが難しいらしいのですが、当時の実家の庭には大きく花をたくさん付ける見事な沈丁花が3本もあり、訪れた人たちが感嘆の声をあげるのを自慢気な気持ちで聞いたものでした。
祖父が亡くなり、墓地にその花の小さな苗を植えすくすく育っていたようでしたが、心ない人が苗ごと掘り起こして持って行ってしまったということです。
その話を聞き、子供心に酷く腹が立ったことを憶えています。
その大きな3本の沈丁花は父が移植をしたせいか、いつの間にか庭から姿を消してしまい、その後も何度か新しい苗を植えたようですが、祖父が育てたほど大きく成ることはありませんでした。
幼い頃、庭の花の香りに包まれておままごとに明け暮れていられたなんて、今から思えば本当に贅沢な幸せな時間を過ごせたものと、神様に祖父母、両親に感謝しないではいられません。
セーラー服で過ごした中高時代は沈丁花の花の季節には、いつも制服の胸ポケットの中にその花を偲ばせて一日中馥郁たる香りを楽しんだものでした。
花の自然な香りは、本当に人の心に安らぎをもたらせてくれる神様からの大きなプレゼントだと思います。
ストレスの多い現代社会に、もっと自然の花の香りが満ち溢れればいいと心から思います。
そう、私は今、花瓶に挿した沈丁花の甘い香りに包まれながらこのブログを仕上げました。
これを読んで下さるおひとりおひとりのもとにも、どうか幸せな香りが届きますように。
そんな願いをこめながら・・・
2007.3.18 小出 麻由美
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