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2008.09.25
無花果
無花果と漢字で書いて、イチジクと読みます。
確かにその漢字が示す如く、無花果の花はとても地味で大きな葉に隠れて何時咲いて散って実になるのか・・・
私の実家は田舎だったので、庭がとても広く大きな池の周りに無花果の木が沢山沢山植えてありました。
今から思えば夢のよう・・・
きっと祖父母が大好きな果物だったのでしょう。
そんな所で生まれ育ったので、この季節には新鮮で美味しい朝摘み無花果が毎日食べ放題でした。
父が仕事に出掛ける前に毎日籠に盛って運んでくれたので、幼い私はいつもそれを楽しみにしていたものです。
中でも、その実の口が裂けて色鮮やかな実が広がっているものが最高に甘く大好きでした。
ただそんな極上の実には、時々蟻の先客がいたりしましたが・・・
それから、無花果を摘んだ切り口の白い樹液にアクがあり、それを口に付けると口角が爛れて悲惨な顔になることも度々。
注意しながら食べていたのですが、私の小さな唇の端っこはいつも傷付いて疼いていましたっけ。
そんなことにも拘わらず、食べることを止めなかった私は、とっても食いしん坊だったのですね!それは今も変わりなく!
残念ながら、都会に住んでいると、そんな美味しい無花果には出会えません。
何度か買って食したものの幼い頃のあの美味しかった無花果とはまるで別の味。
ですから、こちらへ来てから殆ど無花果を食べる機会を逸して過ぎる夏を過ごしておりました。
が、数年前出来た近くのスーパーマーケットにお隣の城陽市の無花果産地から朝摘み無花果が僅かな期間だけですが届くようになり、嬉しく戴けるようになりました。
あの、子供の頃に食した口の裂けた美しい最上に甘いものには流石に出会えませんが、それなりに美味しい無花果で満足しています。
無花果の美味しさの秘密は、あの小さな種を噛んだ時のプチプチ感だと思うのですが、私はその食感が大好きなのです。
だから、無花果ケーキやパンにも勿論目がありません!
主人がいつも朝摘み無花果をまとめ買いする私に呆れております。
彼は、あまり無花果には興味がないようで、「ひとりで全部食べられるからよかったな!」ですって!<笑>
ただし彼は干し無花果は大好きだそうです。
もし、沢山買った無花果があまり甘くない時は、赤ワインのコンポートがお薦めです。
ただ赤ワインにお砂糖を加え、皮を剥いた無花果を丸ごと煮て、荒熱を取った後、たっぷりの檸檬果汁を加えるだけ。
そこにひとかけらの黒砂糖を隠し味で入れるのが私風で気に入っています。
残りの甘酸っぱいワイン色の美しいエキスはゼラチンで硬めに固めてジェリーにします。それをフォークの先で細かく柘榴の実みたいに砕きます。
ピンクのガラスにそのコンポートをワインジェリーと一緒に盛ったら、極上の宝石のようなデザートになりますよ。
もし、大きな庭のある家に住めたら、是非無花果の木も植えたいですね。
ついでに、無花果は聖書の中でも葡萄に次いでよく登場してくる果物です。
日本では大人が登れるほどの大きな無花果の木は見たことありませんが、イスラエルの地ではイエス・キリストの時代からの大木の無花果の木が残っており、驚嘆させられてしまいました!
きっと、今でもたわわに実って収穫するだけでも大変なのでしょうね。
神様は人間のために沢山の喜びを下さいます。感謝です!!!
2008.9.8 小出 麻由美
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