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2007.06.08

白いマーガレットの想い出

小中学校の時、大親友だったとしちゃんの家は、中学校のグランドの横に並んでいた青い屋根瓦の瀟洒な内の一軒でした。
その周りには、白いマーガレットの花が群れをなして咲いていて、春から初夏にかけて本当にロマンティックな風物詩の一齣のようで、その花はそよ風の中でいつも優しく揺れていました。


よくとしちゃんは
「我が家のことを、マーガレット館とお呼びっ。」と言って私を笑わせたりしてましたっけ。


少女の頃、摘んでも摘んでも減ることのないその白い花で両手を一杯にして、花占いなどして遊んだものです。
スキ、キライ、スキ、キライ、スキ・・・
としちゃんとは、小学校二年生の時、和歌山から越して来て以来の大の仲良しになり、毎日のようにお互いの家を行ったり来たりして飽きることなく遊んだものです。


白いマーガレット

あの頃は、二人とも夢見る乙女そのもので、小説や漫画の主人公の話や綺麗なピアノ曲に耳を傾けることに夢中でした。
彼女には年の離れた二人のお姉さんがいて、それぞれが大切にしていたオルゴールの蓋を秘密裏にそっと開けては、その美しい音色を倦むことなく繰り返し聞いたものです。
確か、曲は乙女の祈りとマドンナの宝石でした。
美しいものが大好きな二人は、偶然にも誕生日も一日違いで、趣味も全くと言っていいほど同じでした。
よく綺麗な女の子のイラストなんかをそれぞれ描いて見せ合ったものです。
それが、お互いにとてもよい刺激になっていました。
小学校の時はずっと同じクラスだったので、二人でキャラクター漫画の連載もして、クラスの皆を楽しませたこともありました。
自分で言うのも何ですが、私たち割と人気者でしたね。<笑>


高校も同じで、それぞれ、京都の短大を選んだのに、大人になって、彼女の顔から少しずつ少しずつ笑顔が消えていって・・・それからだんだん異なる道を歩み始め、そして、いつの間にか音信不通になってしまいました・・・


今年もマーガレットの花咲く季節がやってきました。
昔はもっと白いマーガレットの花が、群れ咲く場所が沢山あったように思いますが、最近では殆ど見かけなくなってしまいました。
何故なのかわかりませんが・・・
我が家の小さな庭の片隅にも、小さな種類の白いマーガレットが開き始めました。


としちゃん、貴女は今頃、どうしているのでしょうか・・・?


2007.4.27  小出 麻由美


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