ブログ
Blog
2012.06.03
薔薇の季節 Ⅱ
薔薇は気難しく、植えっぱなしでは美しい花は付けてくれません。
上質な肥料が沢山必要で、病気や虫に悩まされるので毎日目を配ることが不可欠で、正に温室育ちのお姫様扱いが必要です。
植えっぱなしで薔薇の咲きみだれる庭に住めたらどんなに幸せかと思いますが、薔薇好きの園芸店主のお話によれば、気難しいから大きく育てる喜びもひとしおだそう・・・
棚から牡丹餅の好きな私は、なかなかそこまでは思えませんが、それでも自分の庭で咲いた薔薇を摘んでガラスの器に活ける喜びは、きっとジョセフィーヌ(ナポレオンの妃で大の薔薇好き)も味わえなかった幸せでしょう。
さて、前回に続いて我が家の大好きな薔薇たちのご紹介です。
<リリアン・オースティン>
昨年に比べ花数は少なかったものの、ひとつひとつの花の形がかなり大きく立派な花を付けてくれました。
モダンローズの雰囲気のある薔薇で、完全なイングリッシュローズではないそうです。
この素敵な花名はイングリシュローズの傑出者デビッド・オースティン氏の母親の名前だそうです。
花びらの数は少なめですが、花開くと波打つ花びらが際立って美しい薔薇です。
色もスカーレットに少しオレンジを混ぜたようなとても華やかな薔薇です。
香りもよく、病気にも虫にも強いのですが、ほんの僅かな時季に一斉に咲いて終わるのが残念です。
<レディー・エマ・ハミルトン>
花芯が深い杏色の優しい薔薇。
園芸店で強健だと伺い、購入した苗です。
スプレー咲きで、花付きがとてもよく旺盛な薔薇です。
名前の由来を調べてみましたら、1冊の物語が書けそうなくらいの波乱万丈な美しい女性でした。
その女性エマは、ちょっとマノン・レスコーを連想させてくれるような魅惑的な女性で、そのせいなのか!?花は確かに強健ですが悪い虫がいつも花に群がっています。
こがね虫もお気に入りで、よくエマの懐でお昼寝をしています。
困ったものです。親心。
<ピエール・ド・ロンサール>
20代の頃から憧れて止まない薔薇でした。
この薔薇をたわわに咲かせるのが夢でした。
まだ、たわわとまでは行きませんが、毎年美しい花を咲かせ続けてくれる強い品種です。
根強いファンが多いらしく、いつも園芸雑誌などでベスト入りする薔薇のひとつです。
近年は深い赤色クリムゾンの品種が傑出されたようで、先で私も育ててみたいと思っています。雨に弱いので軒下の方が綺麗に咲かせられそうです。
名前の由来はフランスの詩人だそうです。
あまり日本では知名度がなく、私も彼の詩を全く知りませんが、どんな詩を書かれていたのか興味津々です。
<イレーネ・ワッツ>
数年前、園芸店の薔薇好きの女性の店員さんに薦められ購入しましたが、かなりお気に入りのひとつになりました。
スプレー咲きで小振りの花ですが、蕾から散るまで表情をくるくる変える愛らしいルノワールの描く少女のような薔薇です。
色も淡いアプリコットがかったピンクで、儚げだけど芯の強さも感じさせてくれる魅力満載な薔薇です。
名前の由来は残念ながらわかりませんが、きっと可愛らしい少女の名前だと想像しています。そういえば、有名なルノワールの描いた代表作の髪の長い横顔の少女の名前も<イレーネ>でしたね。まさか彼女のことかしら!?
<チャールズ・レニ・マッキントッシュ>
随分長く我が家で咲き続けてくれている美しい薔薇です。
ライラック色を帯びたピンクで、柔らかい花びらがふくよかで、散りゆく時は本当にはらりと潔く。
繰り返し秋までよく咲いてくれますが、葉が憎きチュウレンジバチの幼虫たちのお好みらしく、いつも彼らの駆除に目を光らせておかねばなりません。
この名の由来もわかりません。男性のようだけど、どうしても優しい女性を連想してしまいますね・・・
薔薇の魅力は本当に付きません!
以前にも書きましたが、ヘブライ語で創造はバラだそうです!素敵!!!
神様ありがとう!こんな素敵な花を創造して下さって!
2012.5.31 小出 麻由美