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2014.12.01
薔薇・スヴニ-ル・ド・ラ・マルメゾン
冬を除いて私の小さな庭でいつも咲いている愛すべき薔薇、<スヴニール・ド・ラ・マルメゾン>と長い名前の付いた素敵な花。
ブルボン系、オールドローズで1843年にフランスのベルーゼ作の傑作薔薇です。
その名の由来は、ナポレオンの妃で薔薇愛好家だったジョセフィーヌの住んでいた宮殿マルメゾンのことで、その思い出という意味らしいです。
長すぎてなかなか覚えられない名前でしたが、確かホームセンターにて綺麗な花のラベルだけをたよりに購入した薔薇です。
彼女は、もう10年以上鉢の中で咲き続けてくれている強健美人です。
花姿はラベルの写真より素敵で、表情を変える非常に美しい薔薇です。
まず優しい小さめのパールピンクの蕾がふんわりと広がって、クォーターロゼット咲きになり、あんな小さな蕾の中にこんなに沢山の花びらを仕舞いこんでいたことが信じられないくらいです。
途中で花の精が魔法でもかけたのかと思ってしまうほど、数え切れない花びらが優雅に咲き進みます。
花色も淡い優しいパウダーピンクが、私の大好きな色合いのグレイッシュピンクに変化していき、この世のものとは思えないほどの美しさです。
薔薇栽培の本を読んでいると、この名前をよく目にします。
薔薇愛好家たちの間では評判の薔薇なのだそうで、何も知らずに購入しましたが育ててみると、その理由がよくわかります。
薔薇はそれぞれに表情があるので、一枚の写真だけで好き嫌いを決めることは不可能です。
だから、逆に咲かせてみて花のラベルほどではなかったという薔薇もよくあります。
私もこれまでに沢山の薔薇を育ててきましたが、思っていた以上の花姿で、しかもずっと元気に咲かせ続けられる薔薇は本当に少ないです。
が、スヴニール・ド・ラ・マルメゾンはそんな素敵な薔薇のひとつです。
この秋にも数輪の花たちが、マルメゾン宮殿の美しい思い出を私に語りかけてくれているように咲いてくれました。
2014.11.1 小出 麻由美