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2017.09.01
野の白百合
今年の夏は殊の外蒸し暑く辛い日々でしたが、数日前よりやっと朝夕は涼やかな秋の気配を感じる季節となりました。
でも、その盛夏時からでも、麗しい高砂百合の花が至る所でその白い楚々とした花を咲かせ続けています。
数年前からに比べ、私の住む京都市西京区辺りでもかなりこの百合があちこちで見受けられるようになり、幸せを感じています。
我が家の庭では、何と今年は3メートル超えの背高の高砂百合も出現してびっくりです!椿の木の枝葉に支えられながら、ひたすらに真っ直ぐに伸びて花も6つ咲きました。
この百合は台湾が原種の野生の百合で、立地条件がかなり悪いところでも健気に咲くので、肥料たっぷりの場所ではこんなに成長してしまうのでしょうね。
我が家の庭は狭いので、この大好きな百合を好きなだけ咲かせたいのはやまやまだけれど、他の植物も沢山あるので、春にかなり球根や新芽を間引いています。
が、それでも思いがけない場所からもすらりと伸びて来て美しい花で涼を運んでくれます。
他の鉢植えの横から密かに伸びてくる様は、本当にその花姿とは相反して逞しく力強さを感じ、まさに野の花のクィーンです。
でも、野の花でこんなに増え広がり愛される花は珍しい気もします。
やはり、百合って特別感のある花だからなのでしょうか。
西洋のカトッリク信仰で、聖母マリアに捧げられる象徴的な花として、まず筆頭に選ばれている花なのですからね。
中世の西洋絵画の聖画には、まるで対のようにマリアの傍には白百合が描かれています。
本来聖書に記述されている<野の百合(訳によっては花)>とは実際にはイスラエルの原野に自生する赤い芥子の花を指すと言われていますが、やはりイメージ的にも白百合の方がぴったりだと感じるのは、きっと私だけではないでしょう。
ところで、今年の五月我が家の和室の前に、念願だった小さな植え込み花壇を、造園屋さんに造って頂きました。
側面に石造り風のレンガを積み、お隣との境目にフェンスを貼って頂きました。
<成祥造園・西山さん・0771-24-6642>
本当はもっと和風テイストを目指したかったのですが、機能面などを重要視していろいろ悩んだ末、このシンプルな形に決定しました。
結果的に和室は腰高窓なので、部屋から植物が自然に眺められ、大正解だったと思います。
それで、そこにも高砂百合を数本植え込みました。
この百合は和にも洋にも似合う不思議な魅力も備わっています。
小さな苗でしたが、お気に入りの場所だったのか、そのうちの一本がぐんぐん伸びてかなり大きくなったので、部屋から眺められる場所に少し茎を倒しました。
傍で三つの風鈴が優しく鳴り響き、さらに涼やか気分満載です。
将来はフェンスには蔦が絡み、高砂百合ももっと沢山咲かせようと思っています!
2017.9.1 小出 麻由美