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2014.11.30

ウィリアム・モリスの布地に張り替えた椅子

学生時代の頃知ったウィリアム・モリスのテキスタイルの画集。

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植物をデザイン化した素晴らしいテキスタイル画で、どのページを開いても溜息ばかりでした。
当時同じアパートに住んでいた親友と一緒に開いては、どのデザインが好きかとお互いに選び合っては楽しんだものでした。
可笑しかったのは、それらは皆素敵なので選ぶ日によりそれぞれ好きなものが変わったことでした。

その頃若かった私達にはモリスの高価な柄のファブリックは手の届かないもので、画集を見ているだけでも充分満足していたものです。
それに、当時はそんなモリスの柄のものが輸入されていたのかどうかも知りませんでしたから。

いつの頃からか、モリス柄のカーテン、クッション、壁紙、そしてブラウスなんかも目にするようになり、最近では生活雑貨にもモリス柄の素敵な商品を見かけるようになりました。

さて、数年前立ち寄ったデパートのカーテン売り場にて素敵なモリス柄を見つけて大感動しました。
それは<ハニーサックル&チューリップ>と題名の付けられたその二つの花を主に、大柄に大胆にデザイン化して描かれたそれはそれは高級感あふれた織り柄でした。
そんなカーテンの部屋で暮らしてみたいと思ったものですが、お値段が言うまでもなく高価で、それをカーテンにすると一体どれくらいになるのか溜息ばかりでした。

ならば、カーテンは無理でも古くなった椅子の張り替え生地くらいには使えるかしら・・・とずっと思い巡らしていました。
それでも、私が張り替えようと思っている100年前のイギリスのアンティークの椅子2脚には10メートルが必要でした。

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ですから、ボロボロになるのを待って待って、やっとこの度張り替えの夢が叶えられたのです。
この椅子はとても難しい複雑な張り方になっていて、かなり熟練した職人さんでなければ無理な上に、とても張り替え工賃が高価になるとアンティークショップのオーナーに言われていました。

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が、隣町に熟練された職人さんを探しあて、しかも格安お値段で張り直して下さることが分かり、やっと私の長年の夢が叶ったのです。

張り替えられた椅子はまるで別の椅子のように素敵に変身です!

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柄合わせも流石に熟練された職人さんだけあり、素晴らしい配置で感動です!

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どんな季節にも合うように3種の中からベージュ系の色合いを選びました。
意識はしていなかったのですが、絨毯の上に置くとその柄と色合いがとてもしっくりきて驚きを感じるほどでした。

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もしかしたら、この椅子はこのモリス柄が最後かもしれません。
遠い海を渡ってイギリスから送られて来た時に既に100年経っていましたから、背もたれの木の部分がかなり傷んでおり、補強もして頂きましたので。

100年間どんな方が座られてどんなことを思い巡らされていたのか・・・
このイギリス製の椅子を、同じイギリスの作家のウィリアム・モリス氏デザインの生地で張り替えることが出来て、私が座る。
時と場所を経たアンティーク家具の素晴らしさを、しみじみと感じています。

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2014.11.2     小出 麻由美

 

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