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2014.12.03
アップルパイの思い出
私が今まで食べたアップルパイの中で一番好きなのは、親友のお母さま*アツコ小母さまの手作りアップルパイです。
どんな有名なパティシエが作ったアップルパイでもアツコ小母さまのアップルパイには及びません!
サクッと何層にも分かれた薄いパイ生地の中は、香りよき紅玉リンゴを甘酸っぱく炊き上げた絶妙な美味しいりんごがたっぷり入っていて、それはそれは絶品アップルパイでした。
いつの頃からか、紅玉りんごのシーズンを迎えクリスマス近くになると、私にまでその貴重なパイを毎年四枚も冷凍セットにして、クリスマスプレゼントとして贈って下さっていました。
そのパイの飾りも独創的で、センス抜群の小母さまがご自分でデザインされたポインセチアの花やオリーブの葉や幾何学的な模様で飾って下さっていて本当に素敵でした。
三年前、もう年をとって焼けなくなったのでこれが最後だから・・・と心を込めて焼いて贈って下さり、大事に大事に頂きました。
紅玉りんごは、生産者も少なくなり、あまり店頭には並ばなくなった種類ですが、やはりりんごのお菓子にはこの種類は欠かせないものです。
私も毎年一度は取り寄せて、ガーネットジュエリー(りんごを煮詰めてジェリー状のエキスにしたもので、ガーネットの宝石のようでとても美しいので、自分でこう呼んでいます)を作るようにしています。
今年はあの小母さまの幻のパイが懐かしくなって、久々にアップルパイを自分で作ってみました。
勿論、パティシエのような小母さまのパイとは同じになるわけはありませんが、それでも長年食べ続けさせていただいたお陰で、少し小母さまに似た味のアップルパイを作ることができました。
パイの上には薔薇の花を飾ってみました。
小母さまのパイファンだった娘も、久々に美味しい小母さまのに似たお味のアップルパイだと大喜びしてくれました。
しかし、80歳を過ぎてもアップルパイを上手に焼かれるオバアサマ何て、そんなにいらっしゃるものではありません。
お花とインテリア、そして美しいものが大好きな小母さまは、今は親友の傍で幸せな少女のように過ごされておられ、私もそれがとても嬉しく感じています。
私のアップルパイは、素敵なアツコ小母さまそのものなのです。
素敵なアップルパイのを思い出を有り難う!おばさま!!!
2014.11.24 小出 麻由美