30年間私のお花屋さんでいて下さった森川さんが、昨年でお店を閉じることになりました。

実は昨年急遽クリスマスイブにお茶会を我が家で、自治会メンバー数人と開催する運びになりました。
丁度メンバーの中で会長を務めて下さった方がお誕生日だったこともあり、皆でサプライズパーティーも兼ねることにしました。
そこで、久々森川さんにお花を注文することにしました。
一つはその彼女への皆からのプレゼントとして。
もう一つは我が家でお客様をおもてなしするための飾りとして。
それでその二つの花束を森川さんに届けて頂き、知ったこの事実にとてもショックでした。が、本当にこれまでの沢山の素晴らしい花々を届けて頂いたことに感謝な気持ちで一杯になりました。
「小出さんに早くお話しなければと思っていたのですが、丁度よい時にご注文頂き本当によかったです。長い間沢山のお花をありがとうございました。これが私の最後の花になります。」とのこと・・・

森川さんは私の好みのお花をとてもよく把握して下さっていたので、注文時には金額だけ伝えればいつもそれだけで最高にお気に入りの花束を届けて下さっていました。
この３０年間色んな形でお花をお願いしましたが、一度たりとも私の好みでないお花はありませんでした。
と、言うのも私と全くと言ってよいほど好きな花が同じだったからなのです！
アレンジもラッピングも独創的でとても素敵なうえに、とても良心的。
花好きたちにとっては、なくてはならない存在のお花屋さんだったと思います。
最後のブーケもクリスマスを意識して下さったとても素敵な、黒蝶の大輪のダリアと白い八重のトルコギキョウとパウダーピンクの香りよきスプレー薔薇のアレンジでした。

会長へのプレゼントには、「可愛らしい感じでお願いします。」と伝えただけなのに、本当に彼女にぴったりの大輪のアプリコットカラーの薔薇＜カンパネラ＞に水色のブルースター等の可憐な花々を鏤めた素敵なブーケでした。
驚いたことには、ナ、ナント、彼女の一番好きな花はブルースターだったのです！！！
ここで全てはお話できませんが、そんな風なエピソードは、これまでに森川さんとの間には数えきれないほど沢山あるのです！

まだまだお店を続けて下さるものと思っていたので、突然の宣言に未だに戸惑いを覚えている私です。

ここ数年私は薔薇を沢山庭で育てていたのでいつも何かしら花が咲いていたし、2年間ピアニスト樹里亜の滞在でブーケを頂く機会が多く、あまり自分の為に花を買うことはなかったのですが、いざ必要な時には本当に強い味方に思っていただけに、とても残念です。

お花屋さんの仕事は、見た目以上の大変さがあることは私にもわかります。
早起きをして市に出掛け、山のように花を仕入れるのは、もうそれだけで大変そう！
お店では大量の水替えの管理もあり、沢山の配達注文等々、花が好きなだけではとても勤まりません！
花が好きなのは誰にも負けない気持ちでいる私ですが、流石にお花屋さんになりたいとは思ったことはありませんでした。
特に早起きが大の苦手な私ですからね。（笑）
森川さんは私より一回り年上で、随分足腰も弱くなり、これからは残された人生の余暇をゆっくり過ごしたいとのこと。
100歳以上お元気でいらしたお姑さんを最近天に送られましたが、ご一緒に暮されて正直きっと大変なことが多かったと思います。
これからは、素敵なご主人と可愛いお孫さんたちに囲まれて、のんびり幸せに過ごしたい気持ちには大いに納得です。
ただし、お花の教室を主催されておられる先生方から急には困るということなので、暫くその為の仕入れだけは続けるとの事です。
どうぞ、ご無理なさいませんように・・・

森川さんの素敵な数々のブーケは、私の心の中で咲き続けて永遠に色褪せないものばかりです。

そのうちのほんの僅かですが画像に残されたものを皆様にもお披露目して、森川さんに＜ありがとう！＞の花束を私からのプレゼントにさせて頂きます。

２０１５．１．２１　　　　　小出　麻由美