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2015.06.12
薔薇*ルージュ・ピエール・ド・ロンサール
薔薇、ピエール・ド・ロンサール。
三十年ほど前初めて目にした時、今までにない美しい容姿の薔薇に驚いたものでした。
当時の薔薇は剣弁咲きが主流でしたから、あまりオールドローズやイングリシュローズなどは日本に紹介されておりませんでしたので。
淡いピンクのグラデーションの微妙な色合いの花は、花芯に向かうほど色合いが濃くなり咲き進むと幾重にも重なる花びらがとても華やかで、その花の重さの為に俯き加減になりしな垂れるという麗しい花姿でした。
花付きもとてもよく丈夫となれば、薔薇愛好家たちがほおっておくはずがありません!
発売以来常に殿堂入りの薔薇だそうです。
そんな薔薇ピエール・ド・ロンサールに近年やっと色違いが登場しました!
その名も<ルージュ・ピエール・ド・ロンサール>
発売以来雑誌で目にする度に気になっていましたが、一昨年長尺苗が割安で販売されていたので私もここぞとばかり植えてみたのであります。
次の春、予想通り沢山の花が咲いてくれました。
が、なんか違う!ちょっと写真より赤すぎるぅ~!!!
ホワイト系やアプリッコットピンク系が多い我が家の庭では、ルージュの赤は少し浮いてしまう感じでとても後悔。
どうしよう!こんな立派な苗なのに・・・
・・・そうだ!
我が家の前にあるフォルトに移植してみましょう!
フォルトとは、ボンネルフ仕様という車のスピードを出さぬために考案された道路のことで、ところどころに凹凸を付けた植え込みのことです。
それらは、京都市の持ち物なのですが、家の前の方が各々手入れをしています。
そのフォルトは、我が家の大きな夾竹桃が背後にあっても日当たりも風通しも良好で、ルージュはそこもお気に入りの場所になったよう!
今年も赤いルージュ色の蕾を沢山付けてくれました。
咲き進んでも我が家の庭で咲いていたのを見るよりは、少し深い赤色に映ります。
木や蔓性の植物に囲まれているせいか、その赤さもそれなりに良い感じです。
同じ花も植える場所により、随分印象が変わるものだと改めて感じさせられました。
何とか落ち着き場所を見つけ、ほっと胸を撫で下ろした私です。
花びらが多いこの薔薇は、数本でも本当に沢山の枚数です。
綺麗な色合いなので、散り間際に花を摘んでお風呂に浮かべてみますと、いつもよりずっと華やかで優雅な薔薇風呂になりました。
実は、これを一番喜んだのは障害のある娘でした。
「かわいい、ばら、ばら、!わぁ~きれいねぇ!!!」
語彙力の少ない彼女ですがはっきとりと言葉に出し、かなりご満悦でなかなか湯船から上がって来ないほど!
この娘の喜びようだけでも、この薔薇を育てた甲斐があったと感じている私です。
ルージュ・ピエール・ド・ロンサール!
2015,5.31 小出 麻由美