私は豪華な蘭にはあまり魅かれませんが、小さな花が寄せ集まったデンドロビュームは大好きです。
でも育てるのはあまり得意でなくて、毎年好きな花色を見つけて買っています。

今年は　＜イエローソング・キャンディー＞　と名付けられた黄色いデンドロビュームの小さな鉢を見つけました。

キャンディーだなんて、可愛らしくて舐めてしまいたくなるようなネーミングですよね。
優しい黄色い花の色は、まるで小さなカナリアたちが羽を広げて集まって歌っているよう。
耳を近づけると、そっと春の歌が聞こえてきそうな気配です。

そういえば、早春の黄色い花といえば、レンギョウ。
昔、我が家の庭にレンギョウの木があり、まだ冬の気配の残る庭でその鮮やかなる黄色い花を枝一杯に一斉に咲かせてくれていましたっけ。
幼い私に春を一番感じさせてくれる花で、子供心に希望をわくわく湧かせてくれる大好きな花でした。
レンギョウは中国原産で、その名はレンギョウという鳥を連想させる花の形から来ているとのことです。
葉は花が咲き終わってから芽吹くので、花だけ枝に咲く姿がとても華やかで、今まさに飛び立とうとする鳥のようですものね。

さて、カナリアのようなキャンディー。
家に持ち帰ったものの、今は桜色に設えてある我が家のリビングにはなんとなく馴染みません。
それに、暖房が入っていなければかなり長持ちする花なので、廊下周りの色んな場所に置いてみたもののしっくり落ち着きません。

そこで、このキャンディーのために、玄関のドレッシングミラーの周りを黄色系の色でまとめることにしました。

先ず、アンティークランプシェードを替えて、ランナーをオーガンジーの黄色い花刺繍のものに。
考えてみたら、私はあまり黄色の雑貨を持ち合わせていません。
飾り皿は、ラリックの朝顔のレリーフがしてある飴色のガラスの器で。

そこに小さな　イエローソング・キャンディー　を配置すると、本当に春色コーナーに変身です。

小さな幸せ、私の小さな幸せです。

２０１７．３．７　　　　　小出　麻由美