今年も大好きな金木犀香る季節になりました。
青空が澄んで高くなり、空気も清しく入れ替わる秋のはじめ。
そんな大気の中に、溶け込むように、甘い花の香・・・

主人が珍しく花を携えて帰宅。
「あまりにもよい香りだったので、思わず一輪手折ってしまったよ。」
と、わたしに差し出してくれた、オレンジを帯びた小さな黄金色の花を付けた一枝。

早速お気に入りのワイングラスに挿すとぴったりで、とても嬉しくなってしまいました。
実はそのワイングラス、以前彼にプレゼントしたものだったのですが、返品されてしまったのです。
形はとっても綺麗なのに、飲み心地がいまひとつなのだそうです。
お酒が飲めない私には、飲み心地まで考慮することが出来なかったのでした。
＜よかった！そのグラスが日の目を見て！＞

そういえば、金木犀の花で拵えたお酒もあるようで、きっとお酒好きの人ならば、ロマンティックな気分が味わえるのでしょうねえ・・・
そのお酒の色は、やはり仄かに黄金色に輝くのでしょうか？
幸か不幸かお酒の味の分からない私には、想像の世界でしかありませんが、世の中には、美しい美味しいものが沢山あるものなのですね。

甘い花の香りに包まれながら、優しい主人に感謝して、そんなことをふと考えてみたりした、幸せなひとときでした。

２００９．９．２０　　　小出　麻由美

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