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2011.08.16
真夏の夜空の花
20年振りくらいに浴衣を着て、花火大会に出掛けてきました。
私は花火が大好きなのに、人ごみが苦手なうえ、障害のある娘もいるので、かなり意を決しなければ花火大会に出掛けられません。
でも、今年は主人が仕事の関係でご招待を受けたので、私も重い腰を上げて同伴することにしました。
次女も家に居るので、長女を任せることもできましたので。
簡単なことも重度の障害のある子供を持つと、なかなか大変ですが、久々の嬉しいお出掛けとなりました。
猛暑の続く中ですが、雨もなく、静かな水面が東西に広がる桂川。
ライトブルーにライトアップされた大堰橋を背に、茜色の夕焼けが広がり何処までも輝く西の空。
山が川と平行に連なりその稜線がだんだん薄くなるその時、なんと!黄金色したまあるい月がその輪郭を現しはじめたではありませんか!
なんという美しい光景でしょう!!!
そんな背景の川面を一隻の屋形船が滑るように漂い、蝋燭を灯した灯篭をひとつずつひとつずつ流して行きます。
月が山をすっかり越えた時には、水面にその光の影まで映し出し、譬えようもないほどの言葉にできない美しさ!!!
まるで夢見ているような、一枚の水彩画。
今年は東日本大震災で被災された方々の慰霊の思いを込めた花火大会だそうで、流し灯篭もその思いを託した余興でした。
たくさんの人々が参加し賑わっていましたが、日本人としての哀しみは直ぐに黙祷というかたちでひとつ思いになり、静まりました。
夜空いっぱいに打ち上げられた次から次にと咲いては散りゆく、一瞬の華やかさと儚げな花々。
久々に頭上いっぱいに輝き咲き散る花々を見上げながら、涙が溢れて止まりませんでした。
人間の哀しさと儚さと逞しさ・・・そして美しい創造力の限りなさ・・・
そんな人間とこの地を創造なさった神の偉大さと愛と厳しさ・・・
夜空の花園の真ん中で、究極の美、ただその美しさを堪能できる幸せと、人生の休戚(喜びと哀しみ)を感じさせられた不思議な夢の中の一夜でした。
2011.8.15 小出 麻由美