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2020.03.29

マイガーデンの口絵

私の大好きなガーデン季刊誌<マイガーデン>の口絵を、この春号94号から担当させて頂く幸いに恵まれることになりました。

私は若かりし頃、イラストレーターを夢見て上京し、意匠科デザイン専科の短大で勉強をし、絵本を製作している教授のデザインスタジオにて見習い仕事をしていました。
が、神様から結婚して家庭に入るように導きを受けたので、仕事に未練を残しながらも22歳の時、決意して家庭に入りました。
あの頃は、現在と異なり仕事との両立はとても難しい時代でした。
それに、デザインスタジオも大変忙しく、仕事が徹夜になることも常でしたから。

でも、夢は捨てずに神様に祈りつつ持ち続けていました。

しかし、長女を宿した時、酷い交通事故に遭い、生まれてきた子供は命も危ぶまれるような重度の知的障がい児で、大変な困難の連続に見舞われました。
それでも、必死に前を向いて進んでいたら、色々な素晴らしい奇跡のような出会いをいくつも頂き、今日もこのような仕事が続けられて、本当に感謝に思っております。

この話を始めたら切りがありませんので、マイガーデンのお話に戻しますね。

マイガーデンの雑誌は大好きで、数年前からずっと購読している雑誌でした。
いつかこのような雑誌にも関わりたいものと漠然と願っておりました。
長い間、便箋や絵葉書などのステーショナリーグッズの仕事が沢山で、嬉しくそちらに関わっていましたが、この数年はパソコンの普及により、それらの商品の需要が全くなくなってしまい、寂しく思っておりました。
油絵の製作は続けておりますが、私はやはりイラストレーターが原点で、私の作品が印刷物にならない物足りなさに一抹の寂寥感は拭えないでいたのでした。
そんな折に、この雑誌の編集長であられる丸茂喬さんと懇意にされておられる白砂伸夫先生との出会いを神様はご用意して下さっていたのです!
私は、白砂先生の著作である素晴らしい薔薇の作品集が大好きで、いつも手にとっては眺めておりましたが、ある時この私の住む町のデザインをなさっておられたのが、環境共生学博士でランドスケープアーキテクトであられる白砂先生だったことを知ったのです!!!

きっと随分前から、先生のお名前はこの町の紹介冊子などで目にしていたはずなのですが、私は不覚にもどうやらうっかり見逃がしていたようなのです。
でも、昨年の12月1日に<桂坂の町を白砂先生と散歩する>というイベントが目に留まり、絶対に行かなくては!と思い立ち参加したという訳なのです。
道路計画を専門とする技術士である私の主人もぜひ参加したいとのことで、夫婦でその会に集うことが出来る幸いに恵まれました。
私はこの町の木々や植物は、とてもよく計算されていることを肌で感じながら、よく一人で散歩をして胸を弾ませていました。
白や黄色の花を付ける植物に色分けされている通りや、桜並木や雪柳の通り道、紅葉する木々で統一された街路樹や、桃色の躑躅だけを埋もれるように集めた場所、アヤメ科の植物を集めた水辺・・・
公園などは香りのする花だけを集めた<香りの花公園>や、藤棚など花が舞い散るものを集めた<花の舞公園>、梅の種類を沢山集めた<梅林公園>等々
それらのネーミングもとても素晴らしく、美しいこの町に住めていることをとても幸せに感じて過ごしていました。
そんな美しいこの町を創り上げて下さったのが白砂先生だったのです!!!
そう、以前旅した長崎のハウステンボスの薔薇の庭も先生が関わっていらしたのだそうで、とにかく驚きの連続でした。
そんな素晴らしい先生と直々にお会いして植物の話を聞けるお散歩があるなんて、まるで夢のようでした。
色んな疑問も解決できましたし、この町にも沢山の植物愛好家たちがいらっしゃることも知ることが出来、本当に幸せな半日を過ごさせて頂きました。

白砂先生は世界的にも素晴らしいお仕事をされておられ、地位と名誉がおありなのに謙虚でお優しい雰囲気のお人柄だったので、勝手に親近感を抱き、会が終わる前に、ちょっと躊躇いもあったのですが勇気を出して「先生、私は花の絵を描く仕事をしています。」と、僭越ながら私の花の名刺をお渡したのです。

思い掛けず先生がじっと差し出した名刺に目を留めて下さり、唐突に「これは、クリスマスローズですね。これをお描きになられたのですか?貴女の絵をマイガーデンに掲載しませんか?」とのお言葉を頂き、これは夢なのでは?と思ったほどでした。
それで、先生は素敵な奥様も同行されていらしたので、図々しくも「もし、この後ご予定がなければ我が家にお茶にいらして頂けませんか?」とお誘いしてみましたら、すぐにご快諾下さり、我が家で嬉しいひと時を過ごせる幸せを得られたのです!

実は、本当は先生の著作のご本にサインをして頂きたいと、お会いする前から願っていたのですが、2冊の本を持ち歩いてのお散歩も辛いので断念していたのですが、ご快諾を頂くと同時に「先生にサインが頂ける!!!」と、内心ほくそ笑んだ私なのでありました。
私がお茶の用意をしている間、先生は長いお時間をかけて念入りな薔薇のイラスト入りのサインをして下さっており、後で開いて本当にびっくり仰天でした。
一生の宝物にします!!!

先生とご一緒にお散歩出来ただけでも幸せな時間でしたのに、こうして共にお茶の時間を過ごして下さり、イラスト入りのサインまでして下さって、この日の夜はまるで雲の上にいるような心地すらしていました。
主人からも「神様からのプレゼントだね!」と言われ、私は興奮状態でした。
そして、喜びはそれだけではなく、こんな風に願いだった花の季刊誌に私のイラストとエッセイを掲載して頂く幸運まで頂き、まだまだ長生きしたいものと思ったのでした。
告白しますと、こんなことではいけないとは思いつつ、実は少しずつ情熱が薄らいで来ていた日々でした・・・(友人に話すと、それでも普通の人以上にはある!と笑われましたが)
でも、これを機にまた沢山の夢を紡ぎます!!!(笑)
白砂伸夫先生、丸茂喬編集長さん本当に有難うございます。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
また、私の口絵を見るためにマイガーデンを購入下さった沢山の友人たちに心から感謝お礼申し上げます。有難う!!!
そして、神様、本当に感謝します!
沢山の辛いことを乗り越えたからこそ今があるのだと思っています。

聖書から 忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出すことを、知っているからである。
ローマ人への手紙 5章4節
2020.3.24     小出 麻由美

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