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2018.03.02

ミリアム・ハスケルのブローチ

私は植物がデザイン化されたアクセサリーが大好きです。
中でもミリアム・ハスケルのブローチはとても素敵です。

ミリアム・ハスケルは1899年、アメリカ・インディアナ州生まれの女性です。
1924年に父親から借りた500ドルを元手にニューヨークに出て、ジュエリーショップをホテルの一角にオープンしたのが彼女の輝かしい始まりだそうです。
ショップオーナー兼バイヤー兼プロデューサーとして活躍。
当初、シャネルなどのコスチュームジュエリーを販売していたようですが、後に勉学のため自らパリへ渡り、当時の女性の流行のドレスのラインやネックの深さや色合い、髪の長さに至るまで、何年にも渡りパリの最新ファッションの研究を重ねジュエリーのデザインを考案していたようです。
その最中にフランク・ヘスという素晴らしい男性デザイナーに出会い彼をスカウトし、デザインを全て任せ、ハスケル自身は一流のジュエリーの材料を探すために世界中を旅していたとのことです。
イタリアでガラス、チェコでボヘミアンガラス、オーストリアではスワロフスキーなど。
1930~40年代には日本からもイミテーションパールやオパールに似たガラスを輸入していたようです。
数十年経っても色褪せない彼女のジュエリーの素晴らしさは、そんな彼女の情熱の結晶なのでしょうね。

さて、そのミリアム・ハスケルの素敵なブローチを私も二つだけ所持しています。

一つは、真鍮で象られた植物の葉をリース状にあしらい、それらの中にイミテーションパール6個を花のように配置してあり、ポイントに大きなバロックパールを葉陰にアシンメトリーに置いた、一見クラシカルですが、とても斬新なデザインのアンティーク商品です。
これは偶然ネットオークションで見つけたものです。
そのうちの一つのイミテーションパールが少しぐらついていたので安価で入手でき、直ぐに自分で直しました。
驚いたことには、そのブローチを購入後に知ったのですが、同じ頃に親友も全く同じデザインの新商品のブローチをネットにて購入していたのです!
実はハスケルのコスチュームジュエリーは希少で日本で取り扱い店も少なく、同じデザインのものはそんなにたやすく手に入りません。
それに、本来ならアンティークの方がずっと高価なのですが、オークションだったせいか友人よりかなり安価で購入でき、何だかとても得した気分でした。

でも、そんなことより、親友と離れていても同じものが好きなことに改めて驚き喜びでした。
最も彼女はハスケルのコスチュームジュエリーの存在を知ってからは、驚くほど早くネックレスなども入手して上手にデコレーションしているのですが。
コスチュームジュエリーですから、私には少し豪華すぎるアクセサリーも、華やかな彼女にはとてもお似合いです。
アクセサリーってリングとブレスレット以外は、付けている時は自分より他人を喜ばせるためにあるから、私はそれらを身に纏った彼女に出会うと、目の当たりに見られてとても嬉しくなります。

さて、もう一つの私のハスケルコレクションのブローチは、大きめのバロックパールを真鍮のアールヌーヴォー風なシンメトリーのデザイン中に取り巻いたシンプルなものです。
こちらは新商品ですが、まだ同じデザインのものを他で目にしたことがありません。

ハスケルにしてはおとなしめのデザインで、どんなお洋服にも合わせやすく、私には出番の多いブローチです。

アクセサリーの役目はとても重要だと思います。
同じお洋服がこのブローチ一つで全く印象が異なりますから。
ただ、それ故に使い方も難しく、その位置なども微妙さを要求されるアクセサリーだとも思います。
私もまだこの年代になっても、ブローチを上手に使えるお洒落を目指している所です。

2018.3.2     小出 麻由美

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