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2011.07.11
淡い紫のベルガモット
早めに明けた梅雨は嬉しいけれど、この蒸し暑さには閉口です!
庭大好きな私も、この暑さと蚊の襲撃に遭うため、庭に出るのも億劫で、毎日の水やりは結構過酷です。
紫陽花も色褪せ、花の数もどんどん影を潜め、緑が深くなるばかり・・・
あんなに薔薇が色とりどり咲いてくれていた日々が、まるで遠い昔のようで、異国に来たようなこの気候の違いには本当に驚いてしまいます!
それほど、日本には四季がはっきりとあって素晴らしいのでしょうけれど、やはり私は春と秋だけでいいわぁ・・・
<ただし、スイカやメロン、サクランボやモモ、ブドウの恵みには与りたい我儘なワタクシデスケレド・・・>
さて、でもそんな真夏の庭の我が家でも、ベルガモットが只今涼しげに満開です!
淡い紫の優しい花が、夢のようにふんわり増え広がって、夕風に揺れる様は素晴らしく、ちょっとした清涼剤のよう!
在りし日の義母が、数年前妹の畑に沢山咲いていたからと、数本持ち帰った苗が今では数え切れないほどの花を付けてくれているのです。
このベルガモットはハーブの一種です。
でも、綺麗な花には香りがなくその葉が優しく香ります。
そう、あのアールグレイという紅茶の香り付けの正体がこの植物なのです。
でも、あのアールグレイの茶葉の香りとは異なる香りなのが、今も謎なのです。
何か製法段階で香りに変化が生じるのでしょうか・・・
ベルガモットは花の色が赤い華やかなものもありますが、私は断然こちらの淡い紫の方が好きです。
辺りがだんだん薄暗くなってくると、この花がより白く浮かび上がって、まるで妖精たちが戯れているようです。
ハーブの花は殆どが春に咲いて花壇を賑わしてくれるのですが、この花の少ない季節に涼しげに咲いてくれるベルガモットはとても嬉しく貴重に感じます。
この花を眺めていると、義母との庭での会話や義母と双子のようにそっくりだった妹の叔母のことが偲ばれます。
二人とも西洋人のような目鼻立ちのはっきりとした美しい顔立ちをしていて、幼い頃からハーフと間違えられていたそうです。
ただし、性格はまるで正反対!
義母は大雑把で男性的、花より団子の方が好き。
(と、言いながらも私が育てた花を喜んで見てくれていましたけれどね。)
叔母は繊細で女性的、花がとても好きなひとでした。
そう言えば、二人の晩年の髪はこの夕暮れのベルガモットのように美しい色をしていましたっけ・・・
2011.7.10 小出 麻由美