俯いて咲く百合が大好きです。

殆どの百合が俯いて咲くのですが、透かし百合や花百合は元気よく真っ直ぐに開きます。
透かし百合とはその名の示す通り、花びらと花びらの間が透けて見える所から名付けられたもので、花百合は花がより大きく豪華な種類です。
二種ともとても存在感のある華やかな百合なのですが、私はやはり百合は筒状に開く俯き加減な花姿の気品ある鉄砲百合や、反り返っても俯いて咲く可憐な鹿の子百合、そして楚々と野辺に咲く儚げな笹百合や高砂百合などの原種百合の方が断然お気に入りです。

この夏、我が家の庭で数種類の鉄砲百合を咲かせてみました。
今、白い花とほんのりピンクの三種が美しく咲いたので、早速庭から切って花瓶に活けてみました。
ほっそりと長く透明な花瓶に、殆ど葉を取り除き花の部分を重ねて活けると、また異なる表情を見せてくれて素敵です。

香りも甘く優しく、しばしリビングが安らぎに満ちます。

いつかこの百合が咲き乱れる庭にキャンバスを立て、絵筆を握るのが夢です。

２０１１．６．３０　　　　　　　小出　麻由美