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2018.04.04
黒椿 <ナイトライダー>
昨年、ホームセンターにて小さな鉢でたわわに蕾を付けていた憧れの黒い椿を見つけました。
この黒椿は、まだカタログでしか見たことのない、わたしにとっては幻の椿!
こんなに蕾が付いていて大丈夫なのかしら?
摘蕾した方がよいのでは?
それならば、もう一鉢同じ椿で蕾が数個しか付いていないものがあるけど、そちらの苗を選んだ方がよいのかしら?
思案しながら担当の係員の方をお呼びしてみたけれど、どうやら私の方がまだ詳しい感じ・・・
自分で決めるしかないわ!
ちょっと悩んで舌切り雀のおばあさんの如く、蕾の多い方を購入(笑)
家で育てていたら蕾がポロポロ落ちてしまうかもしれないけれど、もう、それでもいいわ!ということで。
でも、実はこちらで大正解でした!!!
昨年鈴なりだった椿の蕾は全て開花したのであります!
色合いもラベルと同じで黒味を帯びた素晴らしい深紅色!
花は小振りなので、ずっと鉢でも育てられそう。
<ナイトライダー>は、ちょっと不釣り合いな名前に感じるけど・・・
私は八重椿の<ムーンライトベイ>に出合ってから、椿の虜です。
ココ・シャネルが一番好きな花だったという理由にも納得です!
数年前初めて目にしたご近所の庭に咲いていた憧れの白い八重椿。
(ヴェルディーのオペラ・椿姫の原作であるアヴェ・プレヴォーの小説・椿姫で、高級娼婦だった主人公のマルグリットが月の内の仕事ができる三週間いつも手にしていた白い椿のブーケ。私にはそのイメージにこの白い八重椿がぴったり重なりました。因みに残りの一週間は紅い椿のブーケだったそう。ちょっと意味深ですが・・・)
そういえば、幼い頃似たような椿が実家にも咲いていて、人に珍しがられていた記憶がありましたっけ。
両親に問い合わせると残念ながら、それはもう今はないとのこと。
それで私も育てたくて同じ苗を探したけれど、店先でもネットでもカタログでも見つけられなかったので、図々しくもご近所の方にお願いして、挿し芽のための枝を数本分けて頂きました。
一本だけ成功して育てること三年目ですが、まだまだ小さく花を付けるまでもう少し年月がかかりそう・・・
そう、椿って成長がとても遅いのです。
根の張り具合もあまり深くなくて、鉢植えにしても植え替えはあまり必要なさそうです。
根が伸びないから成長も遅いのね。
こんな具合で、今気長に数種の八重椿を育てている私です。
思えば、私の父も椿が大好きで、昔からかなりの種類を集めていました。
最も、父の好みは華やかな色合いばかりで、ちょっと私とは異なっていますけれどね。
実家の庭には大きな八重の真紅の椿が春になるとたわわに咲いていましたっけ。
私はその木に昇って、椿の花に囲まれた枝で一休みしたものでした。
幼い頃、当たり前のようにその艶やかな花木を毎年眺めていたけれど、こんな八重で大きな椿の大きな木は大変珍しいとご近所の方が見にいらしてびっくりなさっていました。
それだけ、椿の成長は遅いのだと、今育てていて良くわかります。
この黒椿<ナイトライダー>も昨年から比べて殆ど変わらない大きさです。
蕾も昨年ほど多くは付けていないけれど、ほどよい数で次々に花開いてくれています。
花は薔薇のようで、薔薇よりずっと手間要らずなのが、とても嬉しいですね。
薔薇が開くまでの間、早春の小さな花々の中で一際艶やかでとても魅惑的に庭を彩ってくれる花です。
写真だと実際よりは鮮やかに撮れてしまいますが、本当はもっと黒いシックな紅さのナイトライダーです。
2018.4.4 小出 麻由美