京都に住んでいながら私のお花見は、いつも自宅近辺の桜です。
京都は桜の名所が沢山ですから、色んな所に行ってみたい気もしますが、そんな名所には当然のことながら人も沢山です。
だから、ただでさえ重い腰がますます重くなってしまうのも事実です。

が、今年はバレエ仲間で宇治に住む友人からお花見のお誘いを頂きました。
彼女の住居は宇治の桜名所の中にあるそうで、数人のバレエ仲間と嬉しくお訪ねすることにしました。

今年の桜は例年になく一週間ほど早く咲いてしまい、お招き下さった友人はそれまで桜が散らないようにとハラハラドキドキだったとのことですが、大丈夫よ、私は桜吹雪舞い散る散り際の桜も大好きだから！
でも、そんな彼女の心配ご無用で、今年は桜開花から暫く晴天続きで、当日もまだ桜は満開のまま咲き誇っており、本当によきお花見日和に恵まれました。
桜の満開時には、雨や風で咲いたばかりの桜が直ぐに散らされることもままありますが、今年は本当に幸運で神様に感謝でした。

さて、宇治へは過去には川を挟んで反対側の宇治平等院の藤棚を観に行ったことがあるだけで、宇治川添いの桜並木を歩くのは初体験です。
思ったより観光客も少なく驚いた私たちでしたが、それはとても好都合！
桜ははんなりと美しく・・・

でも、実はそれよりも、初めて目にした深碧色の宇治川は映像や写真で見るよりはるかに大きく、豊かな水量をたたえており、その川の流れの速さにとてもとても驚いてしまった私なのでした。

山間のダムから流れ降りて来た水流が交わる橋の下は、まるで鳴門の渦潮のように渦巻いて大きな音を立てていました。
歩きながら友人たちと、「この川に落ちたら死んでしまうわねえ～」と、桜よりも渦巻く水流の方に気を取られてしまうほどなのでした。

否、今日はお花見です。
友人宅は、宇治川沿いを暫く歩いて、本当に桜名所の只中に在りました。
家のお隣は参道で、もみじの若葉の緑が目に鮮やかに映え、秋の紅葉もどんなに美しく彩られることかと、充分に想像させてくれる素晴らしい場所でした。

彼女のお庭にはとても大きな紅い藪椿の木があり、この椿だけでもお花見が堪能出来るほど見事に数え切れぬほどの紅い花が咲いて、地面にもそれらの花が敷き詰められていました。

その傍に木製のイスとテーブルが設えられてあり、お茶の用意が既に整えられていて、私たちを快く出迎えて下さいました。

彼女がとっても美味しい手作りの筍ご飯と粕汁をご用意して下さっているということだったので、私たちがおかずだけ入ったお花見弁当をお土産に持参しました。

白ワインで乾杯し、庭から桜並木を眺め、滔々と流れる川の潺を聞きながら頂くお昼の美味しかったことと言ったら！
美味しい和菓子やお煎茶、ケーキにコーヒーと沢山沢山おもてなし頂き、おしゃべりにも桜に負けないくらい花を咲かせました（笑）

そしてお花見以外にも大切なイベントがもうひとつ！
そう、バレエDVDの鑑賞会です。
実は、私を除いて皆さん先のバレエの発表会に出演されたので、その鑑賞会も兼ねてのお花見会だったのです。
花盛りの女性たち（図々しいですか！？苦笑）五人が集まって、もうお花見気分は絶好調でした！！！

家から片道二時間半ほど四つの乗り物に乗り換えて、まるで同じ京都に居るとは思えない、まさに小旅行気分でした。
何のお片付けもしないまま、夕暮れ前まですっかり長居してしまい、ごめんなさいね！
本当に温かいお招き、おもてなしに心より感謝しています。有難う！！！

お招き下さった友人は、京都生まれ京都育ちの京女です。
とても心優しい性格で口数は少ないけれど、愉しい真髄をついた言葉が常にポロリと零れ、度々大笑いする私です。
「心臓にペースメーカーが入っているのよ。」
と、さらりと言ってのけ、それなのにバレエは勿論のこと、テニスをしたり、身軽に世界各国何処へでも出掛ける行動力には感服です！
編み物が得意で、車の中で信号の待ち時間にも編み針を進めてしまうとのこと！
でも、それは危ないから、もう止めてね！

彼女のユニークなお話をもうひとつ！
ある時期、彼女の愛車の室内は驚くべき夥しい数のキティーちゃんのキャラクターで飾られてあったので、「え～！そんなにキティーちゃんが好きなの？」と、私が問いかけると、顔色一つ変えることなくさらりと、「ううん、別に。家に沢山あったから。」
ですって！！！私には理解不能です（苦笑）

実は彼女はバービー人形が大好きで、沢山所有していらっしゃるとか！？
残念！そのコレクションを見せて頂くのをすっかり忘れていたわ！

私と同年代なのに、ずっとバレリーナ体系を維持し続けており、幼い頃からバレエを習っていただけあり、とてもお上手！
私はいつもそっとお手本にさせて頂いていますのよ。
実は、何を隠そう！彼女は私たちのバレエ教室の先生（とっても素敵な憧れの的）のお母様なのでもあられます！

どうぞ、これからもよろしくね！
そして、ご無理なきよういつまでもお元気でいらしてね！

２０１８．３．３１　　　　小出　麻由美