我が家に植えた花藤は、どんどん日当たりのよいお隣のフェンスに伸びて行き、今年は小さいながらも沢山の薄紫の綺麗な花を咲かせてくれました。

藤にもいろいろな種類があるようですが、我が家の藤は丸みを帯びた可愛い出で立ちです。
数輪咲いているだけで、庭中が香り良くて幸せな気分にしてくれます。
我が家は洗濯物干し場に近い場所で咲かせているので、この時季になると、洗濯物を干しながら、願わくば洗濯物にもこの甘い香りがくっついてくれないかなあ～などと思いながら幸せな気分を味わっているのであります。

本当はこの藤のために小さなパーゴラを設えたのですが、日射しのあるお隣へ向かう枝が一番綺麗に花を咲かせるようになり、放置状態です。

それを花好きなお隣の方も喜んで下さっていますので、それをいいことにしていましたが、さすがに今年の花後は枝をこちらに誘引しなければとも思っているところです。

藤ってなんとなく藤棚で設える和風の花のようなイメージがありますが、設え方によりかなり洋風の花にも成り得ると思っています。

海外の花の雑誌で窓周りを藤で囲んだ美しい写真を見た時には、藤のイメージが一変して驚きすら感じるほど感激したものです。
勿論、和風の藤棚を拵えて、その細長い美しい花を楽しむ花姿も私は大好きですが、洋風の我が家の庭には不釣り合いですからね。
和風の私の実家にも、その昔大きな藤棚がありましたっけ。
祖父が亡くなった後にそれを取り除き、皆が部屋が明るくなったと喜んでいた時に、幼心に私は残念でたまらなかったことを覚えています。
確かに藤は強健で、ほおっておくと大木になり始末に負えなくなるようですけれどね。

私はこの藤を大きくならぬように毎年かなり剪定しながら、いつも甘い香りを楽しんでいます。
２０１６．５．５　　　　　小出　麻由美