美容室でめくっていた雑誌のページに、淡い褪めたピンク色のレナンキュラスが束にして生けてある花瓶を見て、ひとり溜息をついていました。
＜な～んて素敵な色合いなのかしら！＞
わたしもこんなレナンキュラスを部屋に飾ってみたい・・・
そして絵を描けたら・・・

美容室を後にして、お花屋さんに直行です。
冷たいガラスの中は、色とりどり春の花で一杯だけど、＜あるはずもないわねえ・・・＞とがっかりしながらも食い入るように眺めていたわたしに、後ろで店員さんが、「よろしかったらお取りしますよ。」とは言ってくださったのだけれども・・・

諦めて鉢花を頂くことに。
鉢花は大好きな種類がいっぱい！
まずピンクのヒヤシンス。この香りだけでも癒されます。

くすんだ色合いが素敵なプリムラ二種類。茶色を帯びた杏色と褪めたワインカラー。

そして、お店の方がわたしを待っていたようにカウンターに置いて下さったピンクの薔薇咲きエラチオールベゴニア。

「あら、ステキ！！！」
「きっと、お好きだろうと思っていましたよ！」とにこにこしながら店員さん。

それから、最後に驚いたことに、たくさんの花鉢の中に埋もれて、レナンキュラスの小さな花がひとつぽつりと咲いた鉢が一つだけあるではありませんか！

そう、色合いがあの白に近い褪めたピンクの正にわたしの探していたもの！！！
店員さんに狂気乱舞しながら「これを探していたのよ！でも、もっと花がたくさん咲いたものはないのかしら？」と尋ねたのですが、この花鉢しかなく残念。
でも、なかなか珍しい色合いの探していたレナンキュラスがあっただけでも神様に感謝でいっぱいです！

早速、水彩画にしてみました。

本当はひとつしか花は咲いていないのだけれど、色んな角度から描いて七本のレナンキュラスに仕上げました。
こういうことが出来ることが、絵を描く楽しみです。
さて、この褪めたピンク色レナンキュラスの花たちが、皆様のもとへもそっと咲いてくれることを願いつつ・・・

２０１３．１．３１　　　　　小出　麻由美