母の日の花に、近年はすっかり紫陽花の鉢植えが定着したように思います。

四月の終わりくらいから花屋さんの店先には、驚くほどの沢山の種類の紫陽花の鉢が並びうっとり見入る私です。
が、何故か鉢植えの紫陽花たちは我が家の庭では来年の花を約束してくれません。
葉ばかりの大きな鉢の紫陽花が庭の片隅にいっぱいですが、花を満開に付けてくれたのは今年も一鉢のみ。
紫陽花にとって大切だという茎を切る位置と期日をちゃんと守り、植え替えもして肥料を与えているのに、何故だか葉紫陽花ばかりです。

以前住んでいた町にご夫婦で経営なさっていた美味しい中華料理の＜シルクロード＞と言うお店があって、紫陽花の季節にはそのお店の前に色んな種類の美しい紫陽花が大きな鉢の中でいっぱい花を付けており、雨の季節はとても楽しみに眺めていたものです。
それらの紫陽花はそのお店のご主人が慈しんで育てていらしていたとのこと。
残念ながら年老いたご夫妻の経営だったので、いつの間にかお店を畳んでしまわれましたが、もっと早くにご主人に栽培法を窺っておきたかったです。
花を付けない我が家の紫陽花たちを庭師の方に見て頂いても、原因不明で「ほったらかしにしてみて下さい。」とだけ・・・

だから、自分の中ではもう紫陽花の鉢を買うのは禁止しているのです！
が、今年の母の日に娘たちが深い濃いピンクのシティーラインという素敵な紫陽花をプレゼントしてくれました。

しばらく鉢で楽しみましたが、こちらはフォルトという我が家の家の前に市管轄の一畳分の植え込み場所があるので、そこへ地植えしてみました。
我が家の庭に地植えしている二株の紫陽花は毎年ちゃんと花を付けてくれるので。

もっと広い土地に住めたら、＜紫陽花色の小道＞と名付けた紫陽花ばかりずっと並べて植え込んだ小道を造り、雨の日もそこを行ったり来たりしたいところですが。

それは夢として、今年我が家にやってきた紫陽花。
娘たちのような華やかで楽しげなバーガンデー色の紫陽花。

きっと貴女方の愛情から、来年も神様が特別に綺麗な紫陽花を咲かせてくださるわよね！
本当にどうもありがとう！！！

２０１４．５．１１　　　　　小出　麻由美